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焦点:IMFが緊縮一辺倒の過ち認める、遅すぎた方向転換

過去に国際通貨基金IMF)の緊急融資プログラムを実施して景気悪化の痛みを味わった国々は、今ごろになってIMFが緊縮策のコスト計算を間違っていたとを認めたことで、憤懣(ふんまん)やる方ない気持ちだ。

IMFは先週発表した調査報告書で、厳しい財政緊縮策による経済への打撃は以前想定していた規模の3倍に及ぶ可能性があると指摘した。


ラガルド専務理事は12日に東京で開かれたIMF世界銀行の年次総会全体会合の冒頭で「助言というのは、受け取るのも与えるのも時として難しい」と述べた。


調査報告書と並行してIMFは、ユーロ圏債務危機に対処するため財政緊縮を促す従前の姿勢を緩和し、ギリシャその他の重債務国に早急な財政赤字削減を強いれば副作用を招くとの主張に転じた。

通常なら、財政政策を引き締めても中央銀行が利下げという緩衝剤によりその打撃を和らげることができる。しかし現在は金利が限界まで下がったため、財政引き締めを相殺するために打ち出せる金融政策は乏しい。


IMFのブランシャール調査局長は「現在は多くの国々が流動性の罠に陥っている。これは周知の通り、金融政策を使えないことを意味しないが、平時に比べて金融政策には大幅な制約がある。こうした場合、金融政策によって相殺されずに財政健全化の影響が直に出ることになる」と述べた。