前回の安倍政権は、公務員制度改革をめざし、官僚組織の謀略とサボタージュによって潰された。
官僚側の首謀者は安倍内閣の官房副長官補、坂篤郎だ。20日付で日本郵政の副社長から社長に昇格したが、菅義偉幹事長代行ら自民党幹部が「看過できない」と騒いでいる。
前回の安倍政権において、官房副長官補、坂篤郎は、安倍の改革を骨抜きにするため、上司である官房副長官、的場順三を巧みに取り込んで、様々な画策をした。的場と坂、それに総理秘書官、田中一穂。いずれも旧大蔵省出身だ。
この三人が国交省と水面下で手を組み、安倍首相と塩崎官房長官が進めようとした道路特定財源の一般財源化を阻止すべく動いた。
そして、結局、彼らや国交省、道路族議員の抵抗に負け、安倍は「道路への歳出を上回る税収を一般財源化する」という中途半端な妥協で閣議決定してしまった。ここから、官僚組織が安倍官邸を舐めてかかる空気が醸成されていく。
安倍が潰瘍性大腸炎の悪化もあって政権を投げ出すと、福田政権では、町村信孝官房長官が霞ヶ関側にまわり、行政改革の足を引っ張った。官房副長官は小泉政権時代にもつとめた二橋正弘が出戻り、坂はそのまま官房副長官補に居座って、渡辺喜美が進める行政改革の骨抜きにかかった。