「スターリン秘史」 ―巨悪の真相に迫る 下 『前衛』新連載 不破社研所長に聞く
池波正太郎の小説『鬼平犯科帳』に、「人間というものは、いいことをやりながら悪いことをやる」という有名なせりふがありますが、スターリンの場合、世界ではいいことをやりながら、国内では悪いことをやった、というわけにはゆかないのですね。
実は、コミンテルンの第7回大会で、スターリンは、コミンテルンのどんな決定もスターリンの承認なしには実行されない、という仕組みをつくっていました。その仕組みを活用して、スターリンは、フランス、スペイン、中国の運動に介入しますが、それが全部、表向きは革命の言葉で語られているが、中身はソ連の大国主義的思惑、そういうことが早くも露骨に出てきました。
たとえば、スペインの内戦でスターリンが何をやったかは、ヘミングウェイの有名な小説『誰がために鐘は鳴る』(1940年)にもかなりリアルに描かれていますよ。