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第63回NHK紅白歌合戦

私は90年代初めから美輪明宏を生で聴いてきたが、一貫して思っているのは、
美輪様の歌は、一曲一曲すべてが一編のお芝居だ、ということだ。
どんな小さなフレーズでも、音符ひとつにでも、
美輪様の歌には完成された演技があって、
聴き手に対して、その背景にあるものを濃厚に伝えて来る。
今回の『ヨイトマケ』にしても、最初の、暗転のあと
♪父ちゃんのためなら エーンヤコーラ
♪母ちゃんのためなら エーンヤコーラ
のところから既に、歌詞とその背後に、何人の登場人物が居たことだろうか。
あの場面が暗闇で、画面に誰も映っていなかったのは演出として必然だった。

美輪明宏とは、性別も年齢も超越した、変幻自在の芸術家なのだ。

【紅白歌合戦ライブ】(12)圧巻の美輪明宏 静まり返った「ヨイトマケの唄」

 終演後、美輪さんは「私のコンサートと同じで、一人一人の観客の人生に、歌がしみこんでいくのが分かった」と語った。さらに「親御さんのいない子供はいない。今、親が子を殺し、子が親を殺すことがよく起きている。一人でも、そういう人がいなくなるように、起こらなくなるようにという曲です」と、目に涙を浮かべながら語った。