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焦点:中銀の金融緩和による過剰マネー、ダボス会議出席者らが警戒感

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのバイトマン独連銀総裁はダボス会議への出席をキャンセルしたが、21日に各国中銀は政府の脅しを受けており通貨戦争に発展する恐れがあると警告。「既に警戒すべき侵害が観察される。例えばハンガリーと日本では新政権がより積極的な金融政策を求めて中央銀行の仕事に強く干渉し、独立性を奪うと脅しをかけている。意図しようがしまいが、結果的に為替レートの政治問題化も進みかねない」と述べた。

米連邦準備理事会(FRB)ではリッチモンド地区連銀のラッカー総裁が何カ月も前から、FRBの金融緩和により来年以降インフレ率が大幅上昇するリスクに警告を発し続けている。

経営コンサルタント会社のベーン・アンド・カンパニーはリポートで、大量の資金供給による最も直接的な影響は「投資決定のまひと混乱、ゆがみ」を招くことだと指摘した。


リポートはまた「過剰な資金は資産バブルの頻度、強度、規模、継続期間を拡大させる」としている。

ダボス会議に先立ってWEFが企業幹部や学者1000人を対象に実施した調査によると、主に持続不可能な政府財政が原因で「システミックな金融混乱」が起こる可能性への懸念が示された。


調査は「デフレ防止のために主要中央銀行が実施している巨額の量的緩和ハイパーインフレを招くのは不可避か」と質問している。

ダボス会議で25日に予定される討論会の議題は「成長不在と金融緩和は新標準なのか」で、今の時代を映している。

超低金利量的緩和は通貨安競争をあおっている。しかしECBは自らの規則とドイツの抵抗に縛られてこれに加われず、過度のユーロ高が景気回復を阻むリスクが高まっている。


間もなく退任するユーロ圏財務相会合のユンケル議長は今月、ユーロは「危険なほど高い」と述べた。

イングランド銀行(英中央銀行、BOE)のキング総裁は先週、中銀の緩和策が資産バブルと間違ったリスク評価を招く危険性を指摘。「少し注意したい事の1つは、低金利が非常に長期間続いているためにリスクプレミアムを押し下げる動きが起こり、利回り追求の再開が認められることだ」と述べた。

FRB、BOE、日銀などの金融緩和策は発展途上国の通貨を上昇させ、輸出産業に打撃を及ぼしている。これに対応し、一部の新興諸国は自国の金融政策を緩和している。

フィラデルフィア地区連銀のプロッサー総裁は今月、多くの国の中央銀行はしばしば政府の圧力を受けて自国通貨を管理する政策を採用していると批判。「通貨戦争の世界に巻き込まれたくない。近隣窮乏化政策は健全ではない」と述べた。