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焦点:G20声明、通貨安競争の議論終結とはならない可能性

声明には「通貨の競争的な切り下げを回避する」、「競争力のために為替レートを目的とはしない」ことが盛り込まれたが、景気回復に向けて主要中央銀行が緩和策を続ける中で達成の保証はない。


米連邦準備理事会(FRB)や日銀による超緩和的な金融政策がまさに、ドル安や円安を促しており、通貨安競争をめぐる議論に拍車を掛けたからだ。


中国や他の主要新興国が会議で警告するように、このトレンドが変わるという可能性は低い。

FRBバーナンキ議長は15日、「米国は国内での目的を推進するため、国内政策手段を用いている」と述べた。日本も、日銀の無制限の国債買い入れに向けた動きは、景気後退局面からの脱出を支援することだけを目的としたものだと主張している。


G20はこのような政策に対して異論を投げ掛けてはいない。


ただし、意図的にせよ、緩和策の単なる副作用にせよ、通貨の切り下げはあくまで切り下げで、それを競争的と呼ぶかそれ以外と呼ぶかは、その動きの背景にある意図をどう呼ぶかにすぎない。


カナダのフレアティ財務相はG20会合の後に、金融政策の目的が景気刺激か為替レートかを見極める方法について問われ、「判断するのは困難だ」と述べた。


バンク・オブ・ニューヨーク・メロンの為替ストラテジスト、ニール・メラー氏は「G20声明は、これまでの円売りにお墨付きを与えた、と市場は受け止めるだろう」と述べた。


金利の米国などから資金が流入するブラジルなどにとっても、為替レートは市場によって決まるべきとの合意は支援材料にならないだろう。通貨に上昇圧力をかけ、輸出がさらに厳しいものとなるためだ。


欧州中央銀行(ECB)のコンスタンシオ副総裁は、競争的な切り下げを回避するとのG20声明について、為替レートの変動のスピードに、より関係していると指摘。会合後の記者会見では「為替レートの過度な変動を回避するということが全て。為替レートの一方向への変動が維持されることはもちろん議論を呼び起こすだろうし、協議されなければならない」と述べた。


G20の関係者は、ブラジルが最初に言及した「通貨戦争」に関する議論をあまり取り上げなかったが、個人的なレベルでは、これからの多くの会合で為替レートが議題に上ることを見込んでいると明らかにしている。


ECBのコンスタンシオ副総裁は、為替レートの動向を引き続き注視しなければならないとし、もし不規則な動きがあれば協議が必要と述べた。