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バチカン:後継法王選び 地域対抗戦の様相に

米国など欧州以外の枢機卿グループが連携を模索する動きを見せているためだ。

 コンクラーベ準備のため4日からバチカンで開かれている枢機卿会議に影を落としているのは、ベネディクト16世の元執事が秘密文書を漏えいした事件(バチリークス)だ。イタリア紙は事件を巡る内部調査でバチカン内部の同性愛者勢力の存在や不透明な資金運用が明らかになったと報じており、米国の枢機卿は記者会見などを通じて、内部調査結果を説明するよう法王庁に圧力をかけてきた。

 一方、神学生に対する性的虐待で告発されている英スコットランドのオブライエン枢機卿(74)の素行について、バチカンが以前から知っていたとの疑いが浮上している。オブライエン枢機卿は当初、虐待を否定していたが、枢機卿会議開幕直前の今月3日になって「ふさわしくない性的行為」があったと認め、謝罪した。

 スキャンダル対応でバチカンが守勢に立たされる中、ANSA通信によると、米国の枢機卿11人は「非欧州人法王」の選出を目指して動いているという。ANSA通信が消息筋の話として報じたところによると、米国勢はブラジル枢機卿団と、欧州勢に対抗するための候補者擁立での同盟形成を視野に水面下で接触しているという。


 米国枢機卿団は「超大国出身の法王は世界に精神的なメッセージを伝えるのに苦労することになる」(ワシントン大司教)として自国からの次期法王選出には慎重だ。このため、米国の「裏庭」にあたる中南米グループや、同様に欧州以外からの法王選出を望んでいるとされるアフリカ勢との連携を模索している模様だ。

 コンクラーベに参加するのは法王選挙権のある80歳未満の枢機卿115人で、法王選出には3分の2以上の支持が必要。北米(14人)、中南米(19人)、アフリカ(11人)が手を組めば44人となり、イタリア(28人)を中核とする欧州組(60人)に対抗する勢力となる。欧州組は一枚岩ではなく、アジア(10人)がキャスチングボートを握る可能性もある。