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【ジョン・テンプルトンに学ぶ】今後、株価100倍に!  社会的責任投資で長期トレンドに乗り続けよ ジョン・テンプルトンの巻【第3回】

 マーケットの大きな流れを的中させ続けてきたテンプルトンだが、ITバブルがピークに達した2000年に入ると、世界中の株価が割高であり、当面調整局面になると予想した。その後、ITバブルは崩壊し、彼の予想はまたも的中した。


 実は、2000年当時、当面の株価動向については厳しい見方をしたテンプルトンだが、長期展望については極めて強気な見方をしている。つまり、21世紀中にNYダウは100万ドルになると。これは、現在の水準から約100倍の水準だ。21世紀にも強い経済成長のトレンドが続くと見ているわけだ。

 株価100倍説の背景についてテンプルトンは、「精神面については、まだまだわかっていないことがたくさんある。物質面の研究の、せめて10分の1でもいいから精神面の研究に励めば、もっと多くのことが成し遂げられるだろう。もっと大きな視野で状況を見つめてみれば、驚くべき進歩と将来への可能性を秘めた時代に生きていることを感謝する理由が山ほどある」と述べ、「21世紀には精神面に関する情報が100倍増える」としている(パンローリング刊『賢人たちの投資モデル』より)。

 では、「精神面の情報が100倍に増える」と、どのような産業が大きく成長することになるのか。


 たとえば、能力開発などを含む教育産業などもその1つだろうし、ヒーリング(癒し)に関する産業なども考えられる。すでに大きな産業になっているが、エンターテイメントや芸術関係の産業なども「精神面の情報」に関する産業ということになってくるだろう。そうしたテーマから、巨大産業が生まれてくるかもしれない。


 実は、この点、テンプルトンはあまり明確に未来図を描いているということではないようだが、投資家として今後の長期展望を考えていくための重要な示唆といえそうだ。

 最後に、テンプルトンから学びたいことは、彼が常に強調している投資家の社会的責任という意識だ。これは、投資家のモラルの問題でもあるが、高い投資成果を挙げるための重要なキーワードでもある。


 その理由は、
(1)社会的責任を意識した投資家は、市場の動きに翻弄されづらい
(2)社会的責任の意識が高い企業は、成長持続性が高く、トラブルに巻き込まれる可能性も少ない
 という2つのことが考えられる。


「ただ儲かれば良い」という意識の投資家は、バブルに踊ったり、暴落で動揺したりしやすいが、バリューを重視して、なおかつ投資家の社会的責任を意識した投資家は、バブル相場で踊らず、暴落でも動揺しないように精神的な抑制が効く。


 (2)については、最近、企業が「社会的責任」をどの程度果たしているかを指数化して、その点数が高い企業ほど投資パフォーマンスが高くなるということが、様々な実証データによって裏付けられ、プロの投資家の間でも「社会的責任投資」が重要な投資手法の一つとして認識されつつある。

 テンプルトンが半世紀も前から当然のように取ってきた投資姿勢だが、世の中がようやく彼に追いついてきたといえるのかもしれない。