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白川総裁が退任会見 デフレ脱却に期待感 NHKニュース

冒頭で、白川総裁はみずからの任期を振り返って、リーマンショックやヨーロッパの信用不安、東日本大震災などが相次いで起きたことを踏まえ、「激動の5年間だった」と述べました。
また、白川総裁は、「日本経済の最大の課題であるデフレから早期に脱却し、経済が成長するために最大限、努力してきた」としたうえで、金融緩和を強力に進めるため国債を大量に購入したことが財政の肩代わりとならないよう細心の注意を払ってきたと、みずからの政策運営を振り返りました。
そして白川総裁は、「急速な高齢化とグローバル化の進展に経済や財政の仕組みの見直しが遅れがちだったことで成長力が鈍った。最近は円安と株高が進み、競争力と成長力の強化に向けた取り組みも動き出しておりチャンスだ」と述べ、今後、政府・日銀が一体となってデフレ脱却に向けた取り組みが加速することに期待感を示しました。
一方、白川総裁は任期中、日銀法改正を巡る議論が取り沙汰されたことについて、「中央銀行の独立性は、先進国・新興国問わず、国際的に確立された大原則だ」と述べ、通貨の信認に及ぶ影響など慎重に考えなければならないことだという認識を改めて強調しました。

中銀が市場を思い通り動かせるとの考えに危うさ、マネーと物価の関係断ち切れている=白川日銀総裁

白川方明日銀総裁は19日、退任会見で、中央銀行が市場の期待に影響を与えるとの考えについて、言葉で市場を思い通りに動かすということであれば、危うさを感じると述べた。また、日銀の新体制では量的緩和の拡充が金融緩和政策の軸になるとみられているが、白川総裁は、マネタリーベースと物価の関係は近年断ち切れているとの認識を示した。

白川総裁「持続的成長に至らず」 NHKニュース

この中で日銀の白川総裁は、5年の任期を振り返って、「リーマンショックや、欧州債務危機東日本大震災など、さまざまな大きな出来事が発生し、日本経済も大きな落ち込みを余儀なくされた。最大限の努力を払ってきたが、残念ながら、物価安定のもとでの持続的な成長軌道に復帰するには至っていない」と述べました。
そのうえで、日銀の新たな執行部への期待について、白川総裁は「私は本日退任する総裁であり、こうした席でアドバイスをするのは差し控えたい。ただ、物価の安定と金融システムの安定は法律にうたわれており、新たな執行部も努力していくと確信している」と述べました。
一方で、白川総裁は「デフレ脱却と持続的な成長という課題の達成には、日銀の強力な金融緩和と同時に、競争力や成長力の強化に向けた幅広い取り組みも必要だ」と述べ、金融緩和だけでなく、財政再建や新たな成長戦略など政府による取り組みも欠かせないと、くぎを刺すことを忘れませんでした。

日銀:白川総裁が退任会見 リフレ政策に懸念の発言

日銀が市場の期待に働きかけて物価上昇を目指す手法について「そうした市場観や政策観に私は危うさを感じる」と述べた。20日に就任する黒田東彦(はるひこ)新総裁らが志向する「リフレ政策」の先行きに懸念を表明した発言といえる。

 日銀はデフレ脱却に向けて2%の物価上昇目標を設定したが、白川氏は「マネタリーベース(お金の供給量)を増やせば物価が上昇するというリンク(相関関係)は断ち切られている」と指摘した。デフレの原因については「すべての経済現象を貨幣現象だけで説明できるわけではない」と説明し、金融政策だけでデフレは克服できないとの考えを重ねて強調した。

日銀:白川総裁 最後にアベノミクスの「危うさ」に警鐘

 「めったには起きないことが次から次に起きた」「私には教科書を書くエネルギーはないが、今の教科書には重要なチャプター(章)がいくつも抜けている」。白川総裁は激動の5年をこう回顧し、世界経済と政治の混乱の中で自問自答を繰り返した政策運営に思いをはせた。

 リーマン・ショック以降の世界経済について「多くの国で必要な財政改革が十分に進まない中、金融政策に対する要求が高まっている」と総括した白川氏。安倍政権発足後、2%の物価目標導入という当初消極的だった政策の採用に追い込まれたが、「大胆さと慎重さが求められる狭い道だった」と振り返った。

 危機に直面する欧米の中央銀行が大胆な金融緩和を繰り返し、相対的に円高が進行したことも白川総裁を苦しめた。金融のグローバル化が加速し、「各国の中銀と世界全体の関係が従来以上に難しくなっている」と日銀の役割の重要性を強調する。

 総裁任期の5年間で一度も金融引き締めを行わず、計15回の金融緩和を実施。10年に資産買い入れ基金を柱とする「包括緩和」を導入するなど大きな政策転換に踏み切ったが、市場や政界からは「緩和に力不足」の印象を与えた。昨年12月の総選挙では日銀批判を金看板に掲げた自民党が圧勝。それまで否定的だった2%の物価目標導入を迫られ、中銀の独立性についても深く悩み抜いたことも明らかにした。

黒田新総裁に「危うさ感じる」 日銀の白川総裁がさよなら会見

白川氏は「黒田日銀」に、「円安株高が進行し、マインドが改善傾向にある。競争力と成長力の強化に向けた議論も始まっている。チャンスを生かし、適切な政策運営をすることを期待する」と語った。

 会見では、黒田新総裁や岩田規久男新副総裁のような、大胆な金融緩和を通じ物価を緩やかに上昇させ、経済を活性化する「リフレ派」との見解の違いをうかがわせる場面もあった。


 黒田新総裁は国会での所信聴取で、「金利引き下げ余地が乏しい中では、市場の期待に働きかけることが不可欠」と指摘。これに対し、白川氏は「期待に働きかけるという言葉が、中央銀行が言葉によって市場を思い通りに動かすという意味ならば、そうした市場観や政策観に私は危うさを感じる」と懸念を示した。


 日銀はデフレ脱却に向けて2%の物価上昇率目標を導入したが、金融緩和で世の中への資金供給量を拡大することと、物価上昇との間の「関係は断ち切れている」と指摘。「資金供給量を拡大する量的緩和を進めないといけない」とする岩田新副総裁の主張を牽制(けんせい)した。

「デフレ脱却には財政再建が不可欠」 白川総裁退任会見(一問一答)

 −−退任にあたっての気持ちは


 「激動の5年間だった。リーマン・ショック、欧州債務危機東日本大震災、2回の政権交代と、めったにないことが次々に起きた。急激な円高が進み、経済も大きな影響を受けた」


 −−デフレの原因は貨幣現象だとする議論がある


 「すべての経済現象がお金を必要とするという点では貨幣現象だが、マネタリーベースの増加と物価上昇は、相関関係が断ち切れている。高齢化に伴って経済の仕組みを見直すなど、デフレの根本原因に対応する必要がある」


 −−否定的だった物価上昇率目標2%の導入に後ろめたさは


 「悔いはない。政府の成長力強化の取り組みが進展すると期待して導入したし、実現するか関心を持ってみている」


 −−基金による国債購入が財政赤字穴埋めの道筋をつけたとの見方がある


 「国債を買う量を増やすのは最も自然な政策だが、デフレ脱却には財政再建が不可欠。政府と日銀双方に財政規律が求められる」


 −−生まれ変わっても日銀総裁をやりたいか


 「そんなふうには思っていない」