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スーチー氏:京都大での講演要旨

 実は日本や韓国の男女差も世界で最大級だ。経済政策によって女性が経済力を持てば男女差は解消可能というのに、なぜ経済が発展した日本や韓国で隔たりがあるのだろうか。

 現在、我が国で私はよく「母」と呼ばれる。でも私が男性なら「父」と呼ばれただろうか。私の父は「建国の父」と呼ばれたが、ビルマの政治家で「父」と呼ばれる人はいない。政治で母性が求められているのだろうか。私は女性的でない。タフだ。だからここに立っている。でもなぜ女性的な面が強調されるのか。女性には政治的リーダーシップに加え、人を癒やす力もあるからではないか。女性の政治的役割は男性よりも広い。女性の参画を通して社会を育み、人々が幸せを感じる新しい社会・政治環境を作らねばならないのだ。

 女性が貢献に対して地位や公式な立場を求めるのは女性らしさと矛盾するものではないし、正当な権利だ。ビルマの変革を支援しようと思うなら、女性の変革を後押ししてほしい。女性が卑屈にならず、自分の真の価値を自覚し主張できるよう支えてほしい。

スーチー氏:龍谷大での講演要旨

 仏教は決して民主化の概念と相反するものではない。仏教は私たち一人一人に価値を置いている。個人の人権に価値を持っているのが仏教だ。真に民主化された社会は、人権を尊重する社会でもある。先ほどこの会場に到着した際、非常に多くの人たち、特に若い男性たちが親しみを持って私を迎えてくれた。


 しかし、人々がいつも慈しんでくれることを当たり前と考えてはいけない。慈しみや優しさは要求したり、お金で買ったり、あるいは強制させたりすることではない。それは自発的に与えられるものでなければならない。与えられたいのならば、与えることが必要だ。新しい民主的な社会を作りたいと思うのであれば、いま申し上げたような仏教の価値観が大切になってくる。


 中には理想主義だと思う方もいるだろう。しかし私たちは常に努力して理想に向かわなければいけない。不可能であるかのようなことに取り組むことが必要だ。人間は最善のことができるのと同時に、最悪のこともできる。選択は我々の側にある。良い方に向かうか悪い方に向かうか。我々自身の利益のためにも、ぜひ良い方向に向かわなければいけない。今日の世界、人類のためにそう思う。