では、4月4日の異次元緩和策の発表以降、長期金利は低下しているのでしょうか?
如何でしょう?
「乱高下しているという話を聞いたけど‥」
このグラフを見る限り、残存期間10年の国債の利回りは上がっていると見るべきだと思うのですが‥では、何故長期金利はこのように上がっているのか?
その理由が分かりますか?
だって、日銀がガンガン民間銀行から国債を買い上げると言っているのですよ。言うだけではなく、実際に買い上げているのですよ。
にも拘らず、長期金利は必ずしも下がっていない。それどころか幾分上がっているようにさえ見える。
一体、市場で何が起きているのでしょうか?
ということで、いろいろと調べていると‥参考になるレポートを発見しました。
「異次元緩和が迷い込んだ介入主義の罠 発表日〜長期国債の買入れが価格形成に生じさせた軋轢〜 :2013年4月12日(金)第一生命経済研究所 経済調査部 担当 熊野英生」
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http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/kuma/pdf/k_1304c.pdf
「金融機関は、市場の売買で日銀の存在感が大きくなり過ぎると考えて、誰もが日銀が長期国債を買ってくれると確信する。すると、通常の市場取引では、金融機関は手持ちの国債売却を手控えるようになる。売却が少なくなると、買い手も少なくなる。そうすると、高値警戒感が強まる中、予期せぬ利益確定の売りが先行し、買い手不在で債券価格が下落して長期金利が跳ね上がりやすくなる。民間金融機関同士の売買量が少なくなって、価格変動リスクが以前より増した格好だ。流動性リスクという現象だ」
こうしてみてくると、異次元緩和策とは、市場メカニズムが機能することを否定し、是が非でも市場をコントロールしようという政策であることが分かるのです。
そして、是が非でも市場をコントロールするぞという強い意志が示されたからこそ、一層の円安が起き、そして、それに伴い株価も上昇した訳ですが‥いつまでもコントロールを続けることなどできないのです。
最近の安倍政権の経済政策を見ていると‥消費税還元セールを法律で禁止しようとしたり‥何が何でも思ったとおりにコントロールしようというような政策ばかりが目立つのです。