父の話では復員船でこの歌を聴いた兵隊さんたちは皆涙を流したそうです。「勇ましい歌で前線に送り出したのだから、負けたとはいえ日本に帰ってくる兵隊さんを迎える歌があってもいいじゃないか」と言う田端義夫さんの気持ちが伝わってくる歌です。
亡き父が「かえり船」をよく歌っていたのを想いだします。父は旧満州からの引揚者でした。そして引き上げて日本に帰る途中の船でこの「かえり船」を聴いたと言っていました。この歌を聴いてやっと日本に帰還できるうれしさがこみ上げてきたのでしょう。すばらしい曲です。悲しくも哀愁を帯びた詩とメロディ素晴しいの一語に尽きます。
大陸からの帰還船で
「皆さん、本当にご苦労様でした。これは日本の船です。どうかご安心ください」
というアナウンスに続いて田端義夫のこの歌が流れたとき、
敗残の兵士たちは声を挙げて号泣したといいます。
それほどこの歌には胸の奥底までズシンと堪える切ない「重さ」があります。
私は、61歳ですが今になって思います、
69歳で亡くなった親父がこの歌が流れるとテレビの前で
無言で聞きいってました。この年になって思います。
心の中で泣いていたんだと。
倅の前では泣けないもんね、、、