黒田バズーカが「看護婦さんプレイ」に劣化するとき 財政のモルヒネ中毒を回避するには?
リーマンショックの後、米国連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長はQEを繰り出しました。いわゆる「ヘリコプター・ベン」です。
また欧州財政危機がヤバくなったとき、欧州中央銀行(ECB)のドラギ議長はLTRO(三年物流動性供給オペ)を発表しました。これはわかりやすくいえば「ドラギ質屋」の開業です。「担保になるものなら、なんでもECBに持ち込みなさい。それをカタに、お金をどんどん貸すから」というわけです。
黒田バズーカの号砲は、確かに世界に轟いたわけだけど、僕に言わせれば(はて? この映画、何時かも見たな……)という既視感に襲われるのです。
QEとかLTROが最初に発表された瞬間は「やってくれましたっ!」と手を叩いて喜んだわけだけど、暫くすると(なんとなく……効き目がイマイチだよね)ということで「スンマセンが、もうイッパツお願いシマス」というおねだりに変わる……。
モルヒネ注射で、気分が良くなったので、日本の市場関係者は「100年に一度の買い場だっ!」とか調子の良い事を言い始めている。で、僕などそれを見ながらニヤニヤしてしまうわけです。
アメリカだって一回のQEだけじゃなく、QE2、QE3と何度も失速しかかった景気に対してモルヒネ注射を繰り返して、ようやく現状のところまで景気が戻ってきているわけです。
欧州もLTROだけじゃ効かず、(まだ実施には移されてないけれど)OMTが発表されました。
このゲームの怖いところは、それが常習性を帯びる点にあるわけです。僕はそれを「看護婦さんプレイ」と呼んでいる(笑)