政策理事会は本日の会合において、政策金利であるオフィシャル・キャッシュ・レートを25ベーシスポイント(bp)引き下げ、2.75%とすることを決定した。5月8日から適用する。
世界経済は来年上向くが、今年は成長率がトレンドを若干下回る可能性が高い。
主要国では、米国が引き続き緩やかな拡大局面にあり、中国の成長は依然として力強いだけでなく、一段と持続可能なペースで推移している。日本は需要の促進とデフレ脱却を目的にした大幅で新たな政策イニシアチブを発表した。ユーロ圏ではリセッション(景気後退)が続いている。
コモディティ価格は最近数カ月で若干低下しているが、歴史的には依然として高水準にある。
国際的に見ると、金融の状況は引き続き非常に緩和的だ。リスクスプレッドは縮小し、大半の金融機関の資金調達状況は改善している。高格付け企業と高いソブリン格付けの借り入れコストは極めて低い水準にある。
オーストラリアの成長率は、2012年通年ではトレンドに近いが、12年下半期はトレンドをやや下回っており、この傾向は2013年に入っても続いているもようだ。
雇用は増え続けているが、労働力の増加ペースよりも遅い。このため、失業率は依然として比較的低い水準であるものの、若干上昇している。
資源セクターへの投資は今年ピークを迎える可能性が高いなか、他の分野については需要が今後数年で一段と力強く拡大する余地がある。消費は上向き、住宅投資は適度な水準で安定している。資源以外の分野の事業投資は今後1年でやや増加する見通し。生産能力を増強した設備の操業が始まり、原材料輸出は増加している。
こうした動きは、1年半前に始まった利下げに支援された面もあり、すべて成長持続の助けとなるだろう。
最近の物価統計は、インフレ水準が目標と一致、あるいは予想をやや下回っていることを裏付けている。消費者物価指数(CPI)はここ1年で2.5%上昇し、基調インフレ率もおおむね同様の動きを示している。これらの数字は、炭素価格に若干押し上げられた。
労働コストの増加はここ数四半期で若干緩やかになった一方、生産性の伸びには改善が見られる。このことは、非貿易財価格の上昇抑制につながる。
中銀は引き続き、インフレ率が今後1─2年間、目標と一致すると判断している。
理事会は最近の会合で、政策金利はすでに大幅に引き下げられ、借入金利は過去の最低水準に近づいているため、政策の経済効果は表れ続けていると指摘してきた。国民はより高いリターンが期待できる資産の割合を増やすようポートフォリオを変更し、資産価値は上昇、金利動向に敏感な一部分野の消費が増加した。
一方、為替レートはここ1年半の間、歴史的な高水準でほぼ変わっておらず、この期間における輸出価格の下落と金利の低下を踏まえると異例の事態だ。さらに、信用需要は現時点で比較的抑えられている。
理事会はこれまで、インフレ見通しは需要支援の必要があれば、一段の金融緩和余地があることを示しているとの認識を示してきた。きょうの会合で理事会は、この余地を少し利用することを決めた。理事会は、キャッシュレートの一段の引き下げが経済の持続可能な成長を促すために適切で、インフレ目標の達成とも一致すると判断した。