https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

アングル:金利上昇を日銀静観、市場は機動的な国債買い入れに期待 | Reuters

 10日の円債市場では長期金利が一時前営業日比11bp高い0.700%と、2月25日以来の高水準となるなど金利が急上昇したが、日銀内では株高に伴う自然な金利上昇との受け止めが多いようだ。


一方、市場関係者の間では、機動的な国債買い入れオペ(公開市場操作)の実施を望む声が多く、週明けにも日銀が国債買い入れを実施するとの観測が高まっている。


日銀内では10日の金利上昇について米国の景気回復に伴う株高・円安に沿った自然な流れとの見方が多い。日経平均株価が前日比400円を超す大幅な値上がりになったのに比べ、長期金利の上昇幅は限定的との受け止めもある。一部では、物価上昇率2%を目指す日銀の異次元緩和による効果が信じられていればそもそも金利が低位にとどまり続けることはありえない、として期待インフレ率の上昇と解釈し得るとの見方も聞かれた。


ただ午後になり国債先物が前営業日比1円下落し、売買を一時中断するサーキットブレーカーが発動されるなど、マーケットは大荒れとなった。現物債もすべての年限で利回りに強い上昇圧力がかり、20年債、30年債各利回りともに3月中旬に付けた高水準に上昇する場面があった。


このため円債市場では市場安定のため機動的に国債買い入れを実施してほしかったとの声が出ている。「後場にかけてじりじりとした金利上昇だったため日銀もタイミングを捉えにくかった面もありそうだが週明けには国債買い入れが実施されるとの期待が大きい」(東短リサーチの寺田寿明研究員)。


もっとも市場では週明けの13日か15日に日銀が国債買い入れを行うとの見方がそもそも多かった。来週は14日に30年債入札、16日に5年債入札が控えており、日銀が月8回予定している買い入れを実施するには入札と重ならない13、15日などが選ばれるとみるのが自然だからだ。


日銀は4月4日の異次元緩和が、市場で発行される国債の約7割を買い取る大規模なものだったことなどから、長期金利が乱高下したのを受け、2度にわたり市場参加者との意見交換会を開催した。1回の買い入れ減額と回数の増加を希望する声が多かったのを踏まえ、4月18日には、当初は月6回としていた国債買い入れを、月8回に増やす工夫を打ち出した。1回あたりの買い入れ額を減額したため、毎月の買い入れ額は7.5兆円と当初と変わらない。