ネット通販人気で「仮想通貨」流通拡大 FRBも関心 - MSN産経ニュース
インターネット上の決済に用いられる「仮想通貨」の“流通”がネット通販とともに拡大している。代表的な仮想通貨の「ビットコイン」は世界中で取引される一方、荒っぽい値動きや「匿名性」が投機と犯罪の温床になっていると指摘され、米当局が摘発や規制に乗り出す事態にまでなっている。
ネット上で、手持ちの資金から交換するための手続きが必要だが、米国では、スーパーや薬局など70万カ所で現金を持ち込めば、電子コインが購入できる。
ドルや円など現実通貨との交換を手がける取引所の世界最大手は日本の「Mt.Gox(マウント・ゴックス)」(本部・東京)で全取引量の7割を占めるという。
「カード社会の米国でも、世帯の4分の1はクレジットカードを持っていない」(別の取引業者)として、「仮想通貨」市場の拡大に期待。ネット通販業者にとっても、代金を実際に回収するまで時間がかかるカード決済と違い、現金決済に近い利点がある。
現実通貨との交換レートは需給や経済状況で変動するが、国家の通貨政策に干渉されない点で、「通貨より金(ゴールド)に近い」とみる専門家もいる。年初はコイン1単位当たり10ドル台だったが、キプロスが信用不安で預金封鎖騒ぎを起こした際は、金に近い安全資産とみなされ、4月に260ドル台まで急騰した。
米財務省は3月、仮想通貨を扱う業者に、届け出や報告の規制を強化する指針を公表した。日本を含む主要国の当局も情報収集を進めており、普及と規制のあり方をめぐって世界的な議論が高まる可能性もある。