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アングル:ドル100円回復の陰に「息の長い資金」、米雇用統計に警戒も | Reuters

ドル/円が約1カ月ぶりに100円を回復した。米量的緩和策(QE)縮小をめぐる不透明感が薄らぐなかで、このところ目立たなかった中長期プレーヤーが買いに動き、ドルが全面高となった。ただ、6月米雇用統計に向けた先行指標は「全敗」で警戒感も強まっている。


金融政策の方向性などを背景とした中長期的なドル上昇トレンドに変わりはないものの、雇用統計の結果次第で再度100円割れの可能性もあるという。


<中長期プレーヤーの買いで大台突破>


ドル/円はニューヨーク市場で一時100.73円まで上昇、5月31日以来の高値をつけた。「目立った材料はなかった」(国内証券)にもかかわらず、ドルは全面高となり、ドル/円は節目の100円をあっさり突破した。


この背後にいたのが、中長期スタンスで投資する海外プレーヤーの存在だ。ある大手邦銀関係者は「99円台から100円に上げたのは、短期スペックではなく中長期プレーヤーの大きな買いだった」(大手邦銀)と打ち明ける。米緩和縮小観測で米国に資金が還流しやすい中で、日本の株高・円安の好循環を見込んだ「そう簡単には投げない息の長い資金が入った」(同)という。


東京市場もこの流れを引き継ぎ、ドル/円は一時100.85円まで上昇した。ドル/円は先行して上げていた日経平均株価に比べて戻りが鈍かったが、ようやく追いついた格好だ。


<米雇用統計の前哨戦は全敗>


ただ、このまま一本調子での上昇を予想する市場参加者は少ない。シティグループ証券チーフFXストラテジスト、高島修氏は「きのうのドル全面高は、米引き締め観測などが要因として指摘されているが、米株相場の上値は重く、米金利は緩やかに低下した。米金利や株価が大きく動いていない中で、それらとは無関係に発生したドル高にはやや違和感がある」との見方を示した。


前日は名目、実質ともに米金利が低下。物価連動国債(5年)でみた日米実質金利差は、6月18─19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)以降70bp超まで広がったが、足元では米実質金利の低下を背景に40bpを下回っている。


みずほ銀行マーケット・エコノミスト、唐鎌大輔氏は「ドル/円の上昇は雇用統計が良いことを先回りしているとの解説が聞かれるが、雇用統計の先行指標とされるISM雇用指標やフィラデルフィア連銀指数、ニューヨーク連銀指数は全部悪い。むしろ心配しなければいけないのに、良いという理由でドルが買われている」と指摘。「理由を探して無理やりドルを買っている雰囲気もあるので、雇用統計は注意しないといけない」と警戒する。


直近発表の指数では、米供給管理協会(ISM)が1日発表した6月製造業統計で雇用指数は48.7と前月の50.1から悪化、2009年9月以来3年9カ月ぶりの低水準となっている。


<目先警戒も長い目では上昇トレンド>


もっとも、唐鎌氏をはじめ、多くの市場参加者は長い目で見ればドル/円の上昇トレンドに変わりはないと口を揃える。貿易赤字の定着など円需給を取り巻く環境が「円安」方向に傾いているほか、米国は時間軸こそ若干揺れ動いているが、緩和縮小方向にあることは間違いない。縮小が始まれば、日米金融政策のスタンスの違いはより鮮明に意識されやすい。


ドル/円を大台に押し上げた中長期プレーヤーは、雇用統計への見方よりも、こうした視点に立ったドル買いを入れた可能性がある。


みずほ証券チーフFXストラテジスト、鈴木健吾氏は、前日のドル高について「QE縮小について冷静な分析が進み、米国経済のポジティブ要因が積み重なった結果としてQEが縮小に向かうとの認識が強まったことが大きいのではないか」と指摘。目先は再度100円割れもあり得るとしながらも、やや長い目で見れば参院選結果やQE縮小などをみながら、もう一段上を目指すと予想している。