ドラマ『半沢直樹』で一番危ういと感じたのは、半沢が金融庁検査を乗り切るために重要資料を自宅や本店機械室などに「疎開」させ、検査官に虚偽の説明をしていた点だ。
悪玉常務の不正を自らの手であばくといった大義に基づく行動の一環だが、銀行法の検査忌避罪に当たる悪質な犯罪である上、同僚ばかりか妻まで巻き込んでいたからだ。
もちろんこれはドラマの世界だが、現実にも似たような話は多々ある。金融庁検査で発覚したみずほ銀行の提携ローンをめぐる暴力団融資の問題も、金融庁に対する虚偽説明を含めた同行の対応のまずさも重なり、紛糾するばかりだ。
今後は新たな行政処分に加えて検査忌避のペナルティが課されるか否かが焦点となるが、既に明らかとなっている事実関係だけでも、頭取ら経営陣の引責辞任は免れないだろう。
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