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FRBイエレン氏 量的緩和維持の姿勢 NHKニュース

来年1月で任期を終えるFRBバーナンキ議長の後任に指名されたイエレン副議長は、14日、議会上院から承認を得るため公聴会に臨みました。
FRBは、市場に大量の資金を供給する今の量的緩和の縮小を検討しており、公聴会ではイエレン氏がどのような考えを示すのかが注目されました。
イエレン氏は、まずアメリカの景気の現状について「金融危機以前の状態にはまだ戻っておらず、7.3%の失業率は高すぎる」と指摘しました。
そのうえで「景気の力強い回復に向け、できることを実行するのがFRBの役割だ。あまりに早く緩和策を終わらせることは危険だ」と述べ、バーナンキ議長の路線を引き継ぎ、雇用などの改善が確かになるまでは今の量的緩和を維持する姿勢を示しました。
一方で、イエレン氏は、緩和策を長期にわたって続ければバブルをもたらすのではないかという指摘について「金融システムの安定を損ないかねない変動は見られない」としながらも緩和策の副作用に十分に注意していく考えを示しました。

イエレン米FRB副議長、公聴会で成長支援の重要性強調 | Reuters

イエレン氏は、雇用創出の持続が可能なほどに景気回復が根付いていると確信できるまでFRBは超緩和的な金融政策を堅持するとの姿勢を表明。「非常に強い回復を促進するために、できることを行うことが重要だと考えている」と述べた。

FRBが現在月額850億ドルのペースで実施している債券買い入れプログラムについては、恒久的に実施できるものではないとの認識を示し、買い入れには効果だけでなくコストも伴うことをFRBは強く認識していると強調した。


その上で、現時点では効果がコストを上回っているとしたほか、「規模縮小に着手するあらかじめ決められた期限はない」と述べ、縮小の決定は今後入手される経済指標に左右されるとの立場を明確にした。

イエレン氏はまた、米国の株式市場や住宅市場はバブルが発生する領域にはないとの認識を表明。


FRBの監督能力は極めて重要であり、金融政策と同様に重要だと強く確信している。金融政策と同じように監督業務を真剣に受け止め、同様の時間と注意を注ぐ必要がある」と述べ、金融の安定が脅かされる前にリスクの高い投資行動が洗い出されるようFRBが集中して監視することを確約した。


同氏はまた、FRBがバブルの芽を摘むために金融政策を利用する可能性は排除しなかったものの、金融政策は矛先が鈍いツールとの認識を示し、他の手段が尽きた時のみ利用されるべきとの考えを示した。

銀行監督については、大手行に対し資本と流動性を引き上げるよう要請したFRBの方針の正当性を主張した。


こうした対策はリスク低減の一助となっているとし、新たな措置が打ち出される可能性があることも示唆。金融機関が商品取引に果たす役割に関して新たな規制を策定する可能性があることを明らかにした。

公聴会は特に敵対的な質問が出ることもなく、約2時間で終了。

指名承認の採決について議員側近は、銀行委は来週にも採決を行う可能性があることを明らかにした。ただ、民主党幹部は上院全体の採決は今月末の感謝際より前には行われないとしている。


定数100の上院で民主党は55議席を占めており、共和党から5票の支持を得られれば、イエレン氏の指名は承認される。公聴会中、共和党議員の間でイエレン氏はインフレに十分対応しない可能性があるとの懸念が出たものの、同氏の指名は十分な票を得て承認される見通し。


ただ共和党のデービッド・ビター上院議員ルイジアナ州)は、イエレン氏が「大き過ぎてつぶせない銀行」をめぐる問題に十分に対応しないとの懸念から、指名承認投票では反対票を投じるとの意向を表明した。

イエレン米FRB副議長の上院公聴会証言要旨 | Reuters

FRBの透明性、独立性>


すでに示している通り、私はFRBの透明性や情報開示の向上を強く支持している。金融政策に関して、情報の範囲、その情報のタイムリーさという意味で、FRBは世界で最も透明性の高い中銀だと思っている。


私が支持できないのは、FRBの金融政策決定・実施上、独立性をそぐような要件だ。


独立性を阻害しかねない短期的な政治圧力をFRBが受けることになる法案を非常に懸念している。


<「大き過ぎてつぶせない」銀行のメリット>


「大き過ぎてつぶせない」銀行が市場で有利な点を予測しようとする研究が行われている。予測の方法は研究ごとに異なり、確定するのは難しいものの、大半の研究は「大き過ぎてつぶせない」ことによる一種の補助金のようなものがあると指摘している。ただ、規模の大きい銀行の資金調達コストが相対的に低くなる傾向があることについては、他の要因も影響しているだろう。


<銀行の短期資金依存>


銀行の短期資金依存の問題については、資本バッファーの上積みを求めるなどの対応を考えている。


<株価、バブル>


株価は力強く上昇したが、われわれが採用している株価収益率(PER)に似た伝統的な価値評価指標でみると、まだバブルの状況ではない。


株の予想リターンと国債などの安全資産との差でみても、バブルの域には達していない。


<債務の持続可能性>


米国にとって、中期的な債務の持続可能性は非常に重要な目標だと考えている。ご承知のとおり、難しい決断を迫られる問題だ。


労働市場から撤退する働き手が多過ぎることについて>


望まずしてパートタイムに従事しているケースが多くなっている。労働市場から撤退したとみられる人が多過ぎる。広義の失業率は10%に近い。


<デフレ回避に注力>


FRBは2つの責務を達成することに注力しており、何としてでもデフレは避けたい。FRBは2%の物価安定目標を掲げている。われわれは完全雇用に戻れるよう取り組んでいる。前進していると思うが、まだ達成できていない。


一方で、資産買い入れ開始時から認識していたが、大規模なバランスシートにはコストとリスクが伴う。


<財政政策と金融政策の相反>


財政赤字と債務を持続可能な軌道に戻す目標の重要性をもちろん認識しているが、目先の歳出削減の一部は経済と需要から確実に勢いを削いでおり、FRBの景気支援への取り組みを一段と困難にしている。


今後歳出削減の取り組みが中期的な進展に注力し、ぜい弱な景気の回復継続に必要な勢いを弱めないようにすることが可能なら、必ず支援となる。


金利の正常化>


利上げ時期にはまだ数年かかると想定すべきだと思う。金利の正常化については、経済が正常でない限り、金利の正常化はあり得ないと言えるだろう。


現在、貯蓄は非常に低水準で投資もそれほど行われておらず、金利が低いのには根本的な理由がある。


<金融監督の重要性>


FRBの監督能力は極めて重要であり、金融政策と同様に重要だと強く確信している。金融政策と同じように監督業務を真剣に受け止め、同様の時間と注意を注ぐ必要がある。


<引き締め局面での長期金利上昇リスク>


金利が急上昇する可能性はある。これは現在だけでなく、長期金利が6カ月の間に100ベーシスポイント(bp)超上昇した1994─95年のような引き締め局面でも同じことが言えた。


FRBは金融システムをより強固にするよう努めた。これまでのストレステストでFRBは銀行が金利リスクを適切に管理しているか審査してきており、今回も引き続き審査する。金利上昇はFRBとし抑制に努めるリスクだが、引き締め局面に内在するリスクでもある。


<成長と財政の足かせ>


過去1年間にわたり、財政政策の大きな足かせに経済は圧迫されてきた。米議会予算局(CBO)は、財政の足かせは成長率1.5%に相当すると試算している。


財政の足かせは縮小すると見ている。将来的に縮小し、成長率が上向くことを望んでいる。


財政の足かせは経済に対する向かい風となってきた。われわれはこの影響を相殺しようとしてきたが、われわれの政策ツールはそれほど完璧なものではない。


<超過準備預金金利の引き下げ>


超過準備預金金利の引き下げについてはこれまでにFOMCで討議し検討した。今後も検討する可能性がある。


われわれは、超過準備預金金利をあまりにもゼロに近い水準に引き下げた場合、短期金融市場の機能が損なわれるのではないかと懸念している。ただこれは明らかに可能性のひとつだ。


FRBは市場の言いなりか>


FRBはいかなる場合でも市場の言いなりとはなり得ないし、そうあるべきでないと考える。われわれは市場の動向をしっかりと注視しなければならないし、市場に影響を及ぼす物事は消費や経済見通しにも同様に影響を与えるだろう。


FRBの意思疎通>


FRBのコミュニケーションについては、現在も取り組みが続いているが、時として意思疎通がうまくいかないことはあり得る。不必要な変動(ボラティリティ)は減らしたいというのがわれわれの本意だ。


<大きすぎてつぶせない銀行>


「大きすぎてつぶせない」銀行問題への対処が金融危機以降の最重要課題の一つであるべきとの考えに賛成する。


この問題は損失をもたらすだけでなく、モラルハザードを生み、市場の規律をゆがめ、金融の安定性を脅かす。(私見として)中小行よりも大手行のほうが有利になってしまう。


この問題への取り組みは進展しているというのがわたしの考えだ。


<資産バブルと金融政策の役割>


全般的に見て、主要セクターで少なくとも金融安定を脅かすような資産価格の不均衡が出ているとの証拠は現時点では見られない。


資産価格の不均衡への対処にあたり、金融政策を利用することは排除しない。ただ、金融政策は矛先が鈍いツールであり、また、FRBは議会から非常に重要な目標である最大雇用と物価安定の達成に向けこうしたツールを利用するよう要請されているため、議会がわれわれに委託したこれらの目標の達成に金融政策をまず利用し、その他のツールを金融安定に対する脅威に対処するために利用するべきと考えている。


金利環境によりリスクの高い行動が触発される可能性がある。金融政策が役割を果たさなければならない可能性は排除しない。


<労働参加率の低下>


失業に関する一段と広範な指標が示す数値はかなり悪いと言える。フルタイムの仕事や長時間の仕事を求めているにもかかわらずパートタイムの雇用しか得られていない人の数は過去に類を見ないほど多く、労働参加率も著しく低下している。その背景には労働力の高齢化もあるだろうだが、労働市場環境が極めて脆弱(ぜいじゃく)であることも一因としてあると思う。


<金融政策の恩恵>


われわれの金融政策は全国民にあまねく恩恵をもたらすことを目指しており、とりわけ高い失業率によって苦労を感じている人々やその家族に向けられてはいるが、その一方で経済の回復には時間がかかっており、その足取りは率直にいって期待外れと言わざるを得ない。


<あらかじめ決められた量的緩和(QE)終了期限ない>


量的緩和が恒久的に継続されるとは考えていない。われわれは毎回の連邦公開市場委員会(FOMC)で、労働市場に有意の改善が見られたか検証しようとしている。


FOMCは、改善が継続するのに十分なほど力強く経済が成長しているか、その徴候を見極めようとしている。民間部門には力強さが見られ、今後も継続するとみている。


資産買い入れプログラムについて、規模縮小に着手するあらかじめ決められた期限はないが、われわれが設定した基準に見通しが一致しているかどうか、毎回のFOMCで検証しようとしている。


量的緩和のリスク>


(資産買い入れ)プログラムは恒久的に実施できるものではなく、実施にはコストとリスクが伴うとの考えに賛成する。


われわれはコストとリスクを非常に注意深く見守っている。FOMCはあらゆるリスクを注視しており、実施期間が長くなればなるほど、こうしたリスクについて懸念する必要性が高まると認識している。


量的緩和の評価>


量的緩和に関する)個人的な評価は、資産の買い入れが経済成長や見通し改善に対して重要な貢献をしてきたとの考えに基づく。


<適切なタイミングでの金融政策の正常化>


率直に言って、資産買い入れプログラムの終了もしくは金融緩和の早急な終了は危険が伴うし、また同プログラムやより一般的な金融緩和を過度に続けることにもやはり危険が伴うことを意識する必要がある。


われわれにとって重要なことは、景気回復が進むなかで、適切な時期に確実に緩和解除を行っていくということだ。自分を含めFRB当局者は2%の長期インフレ目標にコミットしているが、景気回復が根付き進ちょくすれば、時宜に適った方法で金融政策の正常化、もしくは出口戦略を確実に行っていく必要がある。


<失業率低下にコミット>


力強い景気回復の推進継続に向け、FOMCとともに取り組んでいくことを約束する。


全失業者数の約36%は半年以上職についておらず、こうした状況はほとんど前例がない。


長期にわたる失業は家計にとって何よりも大変な痛みであり、職を失った人、長い期間職に就けない夫婦やその家族に多大な苦労や負担を強いている状況に留意している。非常に力強い回復の推進に向け、できることを行っていくことが欠かせないと考える。


量的緩和の効果はコストを上回る>


強い回復を促進するために、できることを行うことが重要だと考えている。われわれは、労働市場の見通しの大幅な改善を確実にすることを目的とした資産買い入れプログラムを継続することにより、これを実践している。


われわれは同プログラム実施しながら、その費用対効果を見極めている。現時点では、効果がコストを上回っていると考えている。