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【福岡国際マラソン】川内「飛び出さなきゃ良かった…」意地の３位も９分台に複雑 - MSN産経ニュース

「飛び出さなきゃ良かった…」。川内の口から思わず本音が漏れた。

　中間点でペースメーカーが離脱した瞬間、意を決したように一気にスピードを上げた。狙いはこうだ。「記録を出したいと思っていたので、集団を５、６人に絞って競り合いたかった」。だが、付いてきたのはゾストだけ。勝負に徹するケニア勢が集団で自重したのが大きな誤算となった。

　そこから８キロ近くゾストと２人でレースを引っ張る形となり、「そこで相当に力を使ってしまった」。２９キロ手前で集団に吸収され、精神的にもスタミナを消耗するレースを演じてしまった。

　ただ、３０キロ以降にズルズル後退するような弱さはなかった。苦（く）悶（もん）の表情を浮かべながらも、粘って３位に食い込んだ点を日本陸連は高く評価。尾県貢専務理事は「心技体の心の部分が卓越している」と褒めちぎった。日本人トップでアジア大会の有力候補となったのは事実。「まだ日本代表を目指せと言ってくれているのかな」。連戦錬磨の公務員ランナーも最後に少し笑顔を取り戻した。