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数学序説 (ちくま学芸文庫)

数学序説 (ちくま学芸文庫)

Amazon.co.jp: 基礎からわかる数学入門 数の発展から微分積分まで: 遠山 啓: 本

数学は他のどの学科よりも頭で考える学科であるといわれている.
それは一応ほんとうである.
だが数学の勉強はほんとうにそうなっているだろうか.
「頭で考える学科」というのは案外看板だけで,実は頭を使わない学科になってはいないだろうか.
公式を丸暗記しておいて,問題にぶつかると,暗記している公式を頭の中から引っ張り出して,
それを当てはめて,機械的に計算すれば答えが出てくる.
それが数学というものだ,と思い込んでいる人が少なくないようだ.
それでは数学の勉強はおもしろくなるはずもないし,勉強の効果もあがらない.
数学は何といっても自分の頭で考える学科である,という立場にもういちど帰って,考え直す必要がある.
自分の頭で考えていくためには,出発点をしっかり踏み固めておく必要がある.
そのためには数学という学問の土台になっているいくつかの基本概念を
しっかりと誤りなくつかんでおくことが第一の仕事である.