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アウディはなぜアメリカンフットボールを支援するのか? | ラグジュアリーは変われるか?|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

高級車市場に長らく君臨するドイツ御三家メーカーといえば、BMWメルセデス・ベンツアウディですが、なかでもアウディが数年前から大躍進を遂げています。


世界の自動車メーカーが大きなダメージを負ったリーマン・ショックの影響も受けず右肩上がりの成長を続け、2012年には世界で約146万台を売り上げてメルセデス・ベンツを抜き、首位のBMWに迫る勢い。すでにヨーロッパ、中国ではナンバーワンの高級車ブランドとなっており、アメリカでも販売台数が急増しているのです。


これは日本でも同様で、アウディジャパンは6年連続で販売台数の最高記録を更新するほどの快進撃を続けています。

アウディは高級車ブランドのなかでも、ある一貫したテーマに沿ったマーケティング・広報活動を行うブランドとして知られています。例えば、スポーツへの支援です。

いったいなぜ?という問いかけに大喜多寛社長は、「“知的さ”に敏感な層の取り込みを狙い、戦略性の高いスポーツを選んで支援している」と答えています(2012年5月22日付の日経産業新聞より)。

サッカーやアメフトはフォーメーションや作戦が多彩で、“頭を使うスポーツ”であり、アウディがこうした戦略性の高いスポーツを支援しているのは、高級車ブランドの価値基準に「ステータス」ではなく、「知性」が求められるようになっていることを表しています。

ネットプロモーションからスポーツや芸術への支援、そして製品まで、アウディの戦略はブランド哲学に基づいた「知的刺激に敏感な層」へのアピールとなっており、このメッセージの明確さが、同社の成長を牽引しているのです。

雑誌『BRUTUS』編集長の西田善太氏は、「アウディのプロモーションは、特にレリヴァンシー(relevancy)が高い」と評します。


レリヴァンシーとは「関連性」、すなわち情報の受け手がどのくらい自分と関連付けてメッセージを受け取っているのかを示す指標であり、このキーワードは、これからのブランディングに重要なキーワードです。


テレビや雑誌だけでなくWEBサイトやSNSなど、今はあらゆるところに情報があふれ、伝達回路がますます多様化するなかで、ブランドがターゲットを明確にすることなくメッセージを伝えようとしても、自分には関係のないものとして流されてしまうどころか、大抵は情報の渦に飲み込まれ、そもそも届かない――。これが、ブランドプロモーションのレリヴァンシーが低いことによる弊害です。

リーマン・ショックなどを経て、坂の上の雲を目指して頑張れば良い生活が待っているというイメージが崩壊した結果、『いつかは、クラウン』のような社会的なステータスの高さをブランドの価値に求めるやり方では、もはや生活者とつながれなくなっている。しかし、アウディは知性や教養というステータス以外の魅力を感じさせることで、知的なもの、先進的なものに興味がある人々にとって、アウディは自分のためにあるクルマだ』と感じさせることに成功しています。まさにプロモーションのレリヴァンシーの高さが、ほかの高級車にはない、アウディのブランドとしての強さを支えているのです」

「技術による先進」をブランド哲学としてさまざまな展開を行っていくアウディの姿勢は、現代のイノベーターたちのイメージとも重なります。華美な高級品に身を包んだ大富豪ではなく、デニムとタートルネックをユニフォームとしながら知性とセンスで世界の頂点に立ったスティーブ・ジョブズのような存在を連想させるのです。

「ますます複雑化、不確実化する世界のなかで、エグゼクティブ層が下す日々の判断にはいっそうの合理性や広範囲の知性が求められるようになっています。彼らは、それゆえにアウディのブランド哲学に共感するのでしょう」と語るのは、グローバルリーダーを育成するスイスの世界的ビジネススクールIMD日本代表の高津尚志氏です。


成功や地位、富の象徴としてではなく、自分のアイデンティティのあり方、美意識を示すものとしてクルマ選びをする態度がエグゼクティブ層にまで広まっているとしたうえで、アウディ好調の理由を、高津氏はこう分析します。


「機能面での高品質はすでに前提になっており、それだけでは差別化が難しい。品質が与える左脳的満足は当然のものとして、さらに右脳的刺激を提供できるか。どんな“遊び心”を加えて、感性にも訴えていくか。その“遊び心”の部分で、各ブランドが個性を競っています。アウディは、『知的好奇心の刺激』というツボを見つけ、一貫したコミュニケーションを重ねてきました。そのツボが、時代の流れのなかでより多くの人々に効くようになっています。だからこそ、アウディは従来ならもっと高価格な超高級車を購入していた人々にまで、シェアを拡大することができたのです

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20131215#1387104080
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20131214#1387018450


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