7月の参議院選挙では、選挙区ごとの1票の価値に最大で4.77倍の格差があり、2つの弁護士のグループが全国すべての選挙区を対象に選挙の無効を求める訴えを各地の裁判所に起こしています。
このうち、福岡や熊本など九州の5つの選挙区を対象にした裁判で、福岡高等裁判所の一志泰滋裁判長は「投票価値の不均衡はもはや見過ごせない程度に達していて、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っていた」と指摘し、憲法違反の状態だという判決を言い渡しました。
その一方、「選挙制度の見直しには相応の時間を要するが、国会は今回の選挙の前に『4増4減』を行い、不十分ながらも最大格差を縮小させたことは評価することができないではない。また、3年後の選挙に向けて選挙制度の抜本的な見直しの検討が続けられている」として、選挙の無効を求める訴えは退けました。
7月の参議院選挙の1票の格差を巡っては、先月、広島高裁岡山支部で岡山選挙区の選挙を無効とする判決が出たほか、これまでに7つの判決で「憲法違反」や「憲法違反の状態」という判断が示されています。
全国各地の判決は今月26日までに言い渡されます。