小野寺五典防衛相は24日、南スーダンで国連平和維持活動(PKO)の任務にあたっている陸上自衛隊の派遣施設隊長、井川賢一1佐からテレビ会議で報告を受けた。韓国軍への銃弾提供の経緯について、井川1佐は、21日夜に現地の韓国軍指揮官から直接、電話で依頼されたと説明。受領後、指揮官から謝意を伝えられたことも報告した。
一方、韓国外務省の趙泰永(チョ・テヨン)報道官は24日の記者会見で「国連南スーダン派遣団(UNMISS)に支援を要請し、UNMISSを通じて支援を受けた」と、国連の枠組み内での支援だと強調。日韓の説明に食い違いが浮上した形だ。
井川1佐によると、現地時間21日午後10時45分ごろ、自衛隊が駐留する首都ジュバから約150キロ北方のボルに駐留する韓国部隊の指揮官、コ・ドンジュン大佐から電話があった。大佐は活動拠点を守る部隊は韓国軍のみで、1万5000人の避難民も抱えていると説明。「『ぜひ貸してくれないか』という差し迫った要請だった」という。
小野寺防衛大臣は、武力衝突が続く南スーダンの治安情勢などを把握するため、PKO活動で、首都ジュバに派遣されている陸上自衛隊の部隊の井川賢一隊長と、24日夕方、テレビ電話を使って報告を受けました。
この中で、小野寺大臣は自衛隊の銃弾1万発を国連を通じて韓国軍に提供したことについて「非常に重要な、緊急的かつ人道的な措置ということで判断した」と述べました。
これに対し、井川隊長は現地時間の21日夜、韓国隊の部隊長から直接電話があったとしたうえで「『韓国隊の宿営地には1万5000人の避難民がいるが、守るのは韓国隊のみで、周りは敵だらけで、弾薬が不足しているので1万発の小銃弾をぜひ貸してほしい』と差し迫った要請だった」と述べました。
そのうえで、井川隊長は、銃弾が届いたあと、韓国側から「協力に感謝する。銃弾は日本隊と韓国隊の強い絆の象徴だ」と謝意を伝える電話があったことも明らかにしました。
潘事務総長、「銃弾提供は適切だった」 - MSN産経ニュース
「(韓国の)戦闘部隊ではないエンジニア部隊がUNMISS司令官に支援を要請した後、司令官が銃弾提供を調整した」と述べた。
その上で、「(韓国軍が)自己を防衛し、能力を補強するため、適切な行為だったと思う」と語った。