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【宮家邦彦のWorld Watch】古き時代のレトリックは不毛だ 半世紀の空白埋める歴史的な国家安全保障戦略 - MSN産経ニュース

新戦略は内容的にも格段に進化している。「国際協調主義に基づく積極的平和主義」なる基本理念の下、防衛大綱で統合機動防衛力を整備し、中期防では今後5年間で防衛費増額を目指す。東アジアで起こりつつある地政学地殻変動にかんがめば、いずれも必要最小限の防衛力拡充であり、中国を除けば、何ら懸念に及ばないものである。

「積極的」平和主義は平和主義ではないというが、それでは「消極的」平和主義と「節度ある」防衛力だけで、力による現状変更の試みを抑止できるのか。大いに疑問だ。

軍事ではなく、外交的手段で解決すべしとの議論は当然であり、異存はない。問題は相手側が外交的手法を事実上拒否していることだ。何かと批判される「積極的平和主義」だが、これには「国際協調主義に基づく」という前段がある。いかなる「積極的」手法も、全ては「国際協調」という外交的手段を尽くすことが大前提だ。

旧態依然の一部日本メディアに比べれば、外国報道機関が日本の国家安保戦略を見る目ははるかに客観的だった。例えば、英BBCの特派員は「日本の左翼の多くは安倍晋三首相が中国の脅威を利用していると考えている」と結んでいた。海外でも中韓を除けば、米国政府を筆頭に日本の諸決定を歓迎する声が大勢だ。日本は自信を持って新安保戦略を実行すべきである。