「防波堤で被害拡大」岩手県、予測伏せる 国は復旧工事:朝日新聞デジタル
岩手県釜石市沖で、国が「釜石湾口防波堤」の復旧工事を進めている。東日本大震災の津波で8割が壊れたが、震災から5カ月で490億円かけた再建を決めた。だが、周辺の住民は「防波堤に跳ね返って高くなった波で、被害が大きくなったのでは」と調査を求めていた。岩手県は、湾口防波堤の影響をひそかに検証したが、周辺の被害が拡大すると出た結果を伏せて、国の事業を静観している。
両石は両石湾の奥にあり、市役所や製鉄所がある中心部から約5キロ北にある。重要港を守るための釜石湾口防波堤の建設が1978年に始まる頃から、両石の人たちは不安を抱いていた。「中心部は守られるが、両石へは、津波が防波堤で跳ね返って何倍も高くなって来るのでは」