安倍首相の意図にかかわらず、この発言が大いに注視されるのは当然だろう。言うまでもないが、第一次世界大戦においてイギリス帝国とドイツ帝国は、直接的に戦うことになった。イギリスの作家であり国会議員も務めたラルフ・ノーマン・エンジェルは、経済的相互依存が進むことで戦争は回避されるという有名な予測をしたが、その数ヶ月後には第一次世界大戦が勃発した。あるいは、E・H・カーの『危機の20年』は現在でも広く読まれている。こうした文脈を考えれば、これが危うい比喩であることは間違いない。
Business Insiderは「残念ながら、状況はパラレルである」として、実際には開戦へと至った英独関係との類似性を指摘し、2Financial Timesは日中の戦争について考えを聞かれた安倍首相が、「興味深いことに、彼はそのような比較が問題外だとは言わなかった」ことを驚きと共に伝えている。