ウクライナ内閣が総辞職、議会はデモ規制法撤廃 | Reuters
ウクライナのアザロフ首相と全閣僚は28日、反政府デモをめぐる混乱収拾を図るため総辞職した。
アザロフ氏(66)はこの日緊急召集された議会で辞意を表明。「この混乱の平和的解決のために、社会的・政治的譲歩を見出すさらなる手段を提供することが目的」だと述べた。
ヤヌコビッチ大統領は、首相以下、全閣僚の辞表を受理した。
アザロフ氏の報道官によると、新内閣発足までの期間、アルブゾフ第1副首相が首相代行を務め、前内閣の閣僚は閣僚代行となる。
議会はこの日、今月成立したデモ規制法の撤廃を可決した。野党側はヤヌコビッチ大統領への圧力を一層強める構え。
スロバキアのフィツォ首相は、ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリーの4カ国(ビシェグラード4カ国)首脳が翌29日、ブダペストでウクライナ情勢に関する特別会合を開くことを明らかにした。
ファンロンパイ欧州連合(EU)大統領は、ロシアのプーチン大統領との会談後、ウクライナの政治情勢を注視しており、暴力行為を強く非難するとともに、暴力の助長を招いた責任の所在を明らかにすべきとの考えを示した。
ウクライナの議会では、日本時間の28日午後から政権側が事態打開に向けて示した妥協案の審議が始まりました。
このうち、政権側が今月成立させ野党側が強く反発していたデモを規制する法律について、12あった規制のうち9つを廃止することを与野党の賛成多数で議決しました。
また、アザロフ首相は議会の審議の開始とともに辞任する意向を表明し、野党側に歩み寄りを促す姿勢を示しました。
これに対して、野党の指導者は、デモを規制する法律の見直しを「非常に重要だ」と評価しながらも、身柄を拘束されているデモ隊のメンバーや政治犯の釈放、また大統領権限を縮小するための憲法の改正など議会でさらなる妥協を求めていく構えで、混乱の収拾につながるかどうかは不透明です。