スイスで行われているシリアの和平に向けた協議は５日目となる２９日、反政府勢力側がアサド大統領の退陣を前提とした暫定的な政権の移行について話を進めようとしました。
これに対して政権側は、シリア国内で起きている暴力を停止させるためには反政府勢力の中にいるイスラム過激派などへの対応を話しあうことが先決だと主張し、そもそもの議題を巡って意見が対立し、こう着状態が続きました。
アサド政権側の交渉団のメンバーの１人で、大統領府の広報責任者、ルナ・シェブル氏は２９日、ＮＨＫの取材に応じ、暫定的な政権への移行についての協議は「拒否する」と明らかにしたうえで、「反政府勢力側の姿勢は問題解決につながらない」と批判しました。
一方、仲介役を務める国連のブラヒミ特使は、５日目の協議のあと記者会見し、３１日まで続けられる見通しの今回の協議について、「大幅な進展はもともと期待していない。氷はゆっくり解け始めており話し合いを続けることが重要だ」と述べ、今回の協議を足がかりにして来月、協議を再開し、事態の打開につなげたいとの考えを明らかにしました。
Brahimi says no substantive progress on Syria but hopeful | Reuters
International mediator Lakhdar Brahimi said on Wednesday that he does not expect to achieve anything substantive in the first round of Syria talks ending on Friday, but hoped for a more productive second round starting about a week later.
