ＦＲＢは、３１日、バーナンキ前議長が２期８年の任期を終えて退任し、１日、イエレン氏が金融政策を決める公開市場委員会の委員長に就任しすべての権限を引き継いで新体制に移行しました。
イエレン氏は週明け３日の宣誓式で正式に議長に就任し、初の女性議長としてＦＲＢのかじ取りを担います。
ＦＲＢはアメリカ国債などを大量に買い入れて市場に資金を供給する量的緩和の規模を縮小することを去年１２月、先月と連続して決め、いわゆるリーマンショック以降の異例の金融緩和の転換に乗り出しました。
もともとは失業問題が専門の経済学者のイエレン氏は今後、雇用の回復を確かめながら一定のペースで規模の縮小を続け、量的緩和を終わらせることが当面の課題となります。
そのうえで、緩和策のもう一つの柱に当たるゼロ金利政策を解除して、金融緩和の出口にたどりつくことを模索することになります。
ただ、就任に先立って、量的緩和の縮小で、新興国に流れ込んだドル資金が流出するという思惑を背景に、トルコなどで通貨安が加速し、世界の金融市場に不安定な動きが広がっており、世界経済の行方も左右するイエレン氏の手腕が早速、問われることになります。
