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ソチ五輪:「テレビ映え」最優先　最終点火、観客見えず - 毎日新聞

　ソチ五輪組織委員会のチェルニシェンコ会長が開会式から一夜明けた８日、記者会見して「素晴らしい内容だった。達成したことを誇りに思う」と満足感を示した。出席したロシアのプーチン大統領からも感謝の気持ちを伝えられたという。

　総合監督を務めたコンスタンチン・エルンスト氏が「開会式のメインは世界に向けたテレビショー」と言い切った開会式は、画面の見栄えが優先された。フィナーレとなる聖火台への最終点火はフィシュト五輪スタジアムの屋外で行われ、観客席から見えなかった。

　また、選手の入場行進ではフィールド全体に映し出される「宇宙から見た各国の姿」が演出の目玉だったが、観客席では全体像が見えづらい状況。国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）も「会場も素晴らしかったが、テレビ映像の方がよりよかった」（アダムス広報部長）と認めている。

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　そもそもソチ周辺はロシアの避寒地として知られ気候は温暖。オリンピック村から約４０キロ離れたアルペン会場でも雪不足が指摘されており、人工降雪機がフル回転している。なぜソチなのか？　という疑問はいまだに残る。

元ＮＨＫモスクワ支局長・小林和夫氏がこう言う。

「ロシア国内にもソチ五輪が成功すると困るという人たちがいます。プーチンが強権を持つことで、さらに窮地に追い込まれることを心配する政商たちです。そんな反プーチン勢力がチェチェンのテロ勢力を後押ししているという見方もあります。プーチンはピョートル大帝を尊敬しており、ソチを第二のサンクトペテルブルクにしたいというプランがある。ソチからコーカサスにかけては手付かずの自然が残っており、ヨーロッパからの窓口として観光客を受け入れたい。そのためには強いロシア、新しいロシア、安全なロシアを世界に発信するためにソチ五輪が役立つわけです。テロリストがソチ五輪を粉砕すると叫んでいますが、抑え込む自信があるのでしょう。シリア紛争外交で米オバマ大統領の評価が世界でがた落ちしており、その一方でプーチン大統領の存在感が増しています。この五輪が成功すればプーチン大統領の権力はさらに強まるはずです」