スターバックスは五輪の公式スポンサーではなく、出店は認められていない。
会場内で認められている唯一のコーヒー販売業者は「マックカフェ」の米マクドナルドだ。マクドナルドなどの五輪スポンサーは通常、チーム・カナダのゴールキーパーより激しい勢いで縄張りを守ろうとする。
グリントンさんが謎のスターバックスのロゴ入りカップについていくと、その持ち主から残念な話を聞かされた。米テレビネットワークNBCが五輪メディアセンターの一角に設置した同社専用のスターバックスのものだという。
五輪の米国での独占放映権を7億7500万ドル(約787億円)で獲得したNBCは、関係者以外の立ち入りが制限されている一角にソチ・スターバックスを開設した。NBCがロシア国内の店舗から集めたバリスタが1日24時間、約2500人の同社関係者にラテなどを無料で提供している。
NBCのジョン・フリッチェ上級副社長(五輪担当)は「腹が減っては戦ができぬとナポレオンが言った通りだ」とし「われわれは大体その方式で動いている」と語った。
国際オリンピック委員会(IOC)のレイチェル・ロミンゲル氏は、NBCのスターバックスは規則違反ではないと語った。その上で、サービスを提供する企業が五輪との関連性を宣伝・示唆しない限り、放送事業者は「補助的施設」を設置できると話した。
マクドナルドは公式スポンサーでない競争相手の存在にも動じていないようだ。マクドナルドの広報担当者は「マックカフェはおいしいコーヒーを楽しみたい選手、メディア関係者、観客に人気だ」と語った。