化学物質搬出、数カ月遅れも シリア、OPCWに伝達 - MSN産経ニュース
遅れが長引けば、6月末までに全廃する目標を達成できなくなる。アサド政権が故意に搬出を遅らせているとの疑いを深めている欧米諸国を中心に、批判や懸念がさらに高まるのは必至だ。
シリア人道決議で最終案 安保理、妨害に制裁警告 - MSN産経ニュース
内戦が深刻化するシリアの人道状況の改善をアサド政権や反体制派に要求する国連安全保障理事会の決議案の最終案がまとまったことが19日、分かった。取りまとめに当たったオーストラリアの国連代表部が明らかにした。
同代表部によると、同国とヨルダンなどの3カ国が19日夜、共同で安保理に最終案を提出した。週内にも採択にかけられる見通し。共同通信が入手した最終案は、焦点となっていた人道支援妨害に対する制裁について「(妨害があれば)追加措置」を取ると警告、将来の発動に含みを持たせた。
ただ、アサド政権を支持するロシアや中国が賛成しているかどうかは不明で、採択の成否は予断を許さない状況だ。
3カ国の原案では、採択から15日以内に人道状況が改善されない場合、妨害する個人や組織に非軍事措置での制裁を科す意思を示していたが、最終案ではロシアに配慮し譲歩したとみられる。
シリアを巡っては、アサド政権と反政府勢力の和平に向けた交渉が行き詰まる一方で、各地で激しい戦闘が続き、300万人が十分な支援を受けられない状況が続いています。
こうしたなか、国連安保理では先週、欧米とアラブ諸国がシリアの各勢力に対し、国連などによる人道支援に協力するよう求める決議案を提出しました。
NHKが入手した欧米側がまとめた決議の最終案は、アサド政権と反政府勢力側の双方に対して、市民を標的にした攻撃を直ちに停止するとともに、封鎖されている地域への出入りを認め、支援物資の搬入や医療活動に協力することなどを求めています。
また当初の案では、決議を順守しない組織や個人には制裁を科すとしていましたが、アサド政権を擁護しているロシアへの配慮から最終案では「さらなる措置を講ずる」という表現にとどめています。
欧米側は今週中にこの案を採決にかけたい意向ですが、ロシアは内容の一部になお難色を示していて、大詰めの調整が続いているもようです。
シリアを巡り対立を繰り返してきた欧米とロシアが、化学兵器の廃棄に続き、人道支援の実現に向けても歩み寄ることができるのか注目されます。