国連安保理では10日午後、ウクライナ情勢を巡って、この10日間で5回目となる緊急の非公式会合が開かれました。
会合はウクライナが要請したもので、ウクライナ南部のクリミア自治共和国で、今月16日に予定されているロシアへの編入の賛否を問う住民投票などについて意見が交わされ、欧米各国からは、住民投票はロシアがクリミア自治共和国を併合する道を開くものだと、強い懸念が示されました。
会合のあと、フランスのアロー国連大使は記者団に対し、「ロシアがクリミアを併合すれば国際社会に計り知れない悪影響を及ぼす。ロシアはこれ以上事態を悪化させないでほしい」と述べたほか、イギリスのライアルグラント国連大使も、「ロシアは全く譲歩せず、国際的に孤立している。
われわれはロシアに対し対話の道に戻るよう働きかけるしかない」と述べ、ロシアに対し住民投票を回避させるよう強く求めました。また、英仏の両国連大使は、ウクライナの暫定政権のヤツェニューク首相が今週中に安保理で演説を行う可能性を示したうえで、ウクライナの主権の尊重と領土の保全のため暫定政権を引き続き支援していく姿勢を強調しました。