ロシアがウクライナ南部のクリミア自治共和国の編入を宣言したことを受け、国連の安保理では19日、緊急の会合が開かれました。
会合では、ロシアのチュルキン国連大使が、「ロシアとクリミアの融合という60年越しの悲願が達成された。編入は民主的な住民投票を経て、国連憲章にも定められた民族自決の権利に基づいて行われた」と述べ、編入が合法的に行われたと強調しました。
これに対して欧米各国からは、編入が軍事的な威嚇のもとで行われた領土の強奪だという非難が相次ぎ、このうちアメリカのパワー国連大使は、「住民投票を経てもクリミアの地位は変わらない。泥棒は財産を盗むことはできても、所有する権利は認められない」と、ロシアを激しく糾弾しました。
このあとロシア側が再び発言し、「アメリカが今後、安保理でのあらゆる議題でロシアの協力を得たいのであれば、屈辱的な発言は受け入れられない」と激しく反発しました。
安保理では先週、クリミアでの住民投票を無効とする決議案がロシアの拒否権によって否決され、事態の収拾に向けた有効な手立てが打ち出されないまま、非難の応酬がエスカレートしています。