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米国、ロシア情報収集の強化急ぐ - WSJ.com

 先月、ロシア軍がクリミア近辺に集結する様子は米軍の偵察衛星に捉えられていた。それでも情報分析官らはこれに驚いた。というのも、ロシアの指導者たちや軍の指揮官や兵士らが侵攻計画を協議していることを明確にする通信を傍受していなかったからである。


 米国が誇る世界的監視システムは米国の情報機関にとって、特に早期警戒システムや他の証拠を裏付ける手段として、欠くことのできないツールだ。ところがクリミアでは、ロシアの指導者たちが米国の通信傍受をうまくかわすことで、欧米を出し抜いたかもしれないというのが米国の情報機関の結論になりつつある。


 「その兆候はあったとはいえ、われわれには起きようとしていることを正確に予測するための情報がなかった」とある米国政府高官は話す。


 そうした情報不足を補うために、米国の情報機関と米軍は、ロシア、ウクライナ、バルト諸国での衛星監視や通信傍受活動の拡大を急いでいる。米国政府高官はそうした情報や分析官の強化によって、より確実にロシア軍を追跡し、プーチン大統領が行動を起こす前に、そのいかなる意図についても察知できるようにしたいと望んでいる。

プーチン大統領や他のロシアの指導者たちは米国が傍受した内部通信でもほぼ何も漏らさなかった。「『実行に移す』という号令すらキャッチできなかった」とある政府高官は振り返る。


 ロシアの指導者たちが意識的に侵攻に関する通信を避けたのか、それとも単に米国に察知されない手段を見つけたのかは定かではない。プーチン大統領がクリミア制圧の決断を直前に行い、作戦の実行に責任を負う者以外はほとんど誰にも言わなかったという、もう1つの可能性もある。ロシアのクリミア制圧計画は事前に立てられ、準備が整っていたために協議する必要があまりなかったと考えている米英の高官もいる。


 米国政府高官によると、ロシア軍兵士たちは、クリミアでの無線や携帯電話での通信行為で驚くほど律されていたという。米国の情報機関が傍受したやり取りからはそうした計画の気配すら感じられなかった。

今や米国政府高官たちはクリミアに潜入していたロシア軍部隊の質を過小評価していたと認めている。