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北極海下の冷戦―米潜水艦、ロシア潜水艦を模擬標的 - WSJ.com

 北極海の氷の下500フィート(150メートル)で、米潜水艦ニューメキシコの乗組員らは二つの魚雷発射管に魚雷を装塡した。艦長のトッド・ムーア中佐は「ソナー方向に合わせ、発射」と命令する。模擬魚雷が模擬標的に狙いを定めると、空気圧が急激に高まった。模擬標的はロシアのアクラ級潜水艦だ。

 この模擬攻撃は、米国とロシアの関係がますます冷え込む新しい時代の中で行われた。米国が最近、北極海での合同軍事演習と、北極海沿岸警備に関する両国間会議をキャンセルしたあと、北極海での米ロ協力は突然停止状態となった。米国は、同海での潜水艦救出提携の活動も停止した。

 国防当局者によると、ロシアの潜水艦を模擬標的としたのは、北極海で活動している外国はロシアだけであるためだ。ただこれらの当局者は、訓練は軍事衝突が近づいていることを示すものではないと述べている。

 訓練を視察した海軍作戦部長のジョナサン・グリーナート司令官は、米潜水艦の作戦能力、あらゆる海域での情報収集能力を示すことは米国の安全保障にとって極めて重要だと述べた。米国の潜水艦保有数は72隻、ロシアは約60隻だ。

 この訓練が行われた先週末には、440人の海兵隊員による北極海での別の訓練が終了した。これはロシアとの国境に近いノルウェー北部で同国軍と共同で行われた。ノルウェーのソーライデ国防相は、同国は北極海でのロシアとの捜索救助活動の協力は今後も続けるが、軍同士の協力については見直していると述べた。米国防当局者によると、ノルウェーは米国軍や北大西洋条約機構NATO)軍がノルウェーに出入りしやすくなるように、1億2500万ドル(128億円)を投じて埠頭(ふとう)を建設している。


 ソーライデ国防相ウォール・ストリート・ジャーナル紙とのインタビューで、国境地帯の再軍備は望んでいないとしながらも、「同時にわれわれは自分たち自身の国と同盟にとっての状況認識が必要だ」と述べた。

 冷戦時代の潜水艦の武勇伝に熱くなり潜水艦乗りとなったクリストファー・ウィリス下士官は、近く潜水艦による攻撃が起きるとは思っていない。米国の潜水艦の本当の重要性は情報収集にあるとの考えだ。同下士官は「重要なのは弾頭を装塡することではなく、物事を見極めることだ」と話した。グリーナート司令官は、ロシアとの間の緊張が高まっているが、北極海での軍備拡張競争は予想されないとし、再び協力できることを希望していると述べた。


 しかし、少なくとも訓練の一部では、ムーア艦長がニューメキシコの能力を誇示する中で模擬戦闘は激しさを増した。乗組員が模擬魚雷を装塡するのを見ていたキング議員は艦長に向かって、北極海にロシアの潜水艦はいるのかと尋ねた。艦長は、ロシアの潜水艦は通常、ロシア北部沿岸の基地の近くにいるとしながらも、潜水艦の乗組員は常に聞き耳を立てていなければならないと強調。「海中にいるのがわれわれだけだと思ってはならない」と語った。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20140325#1395743854
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20140216#1392547071