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【世界史の遺風(102)】ガレノス 医学でローマを制した国手 東大名誉教授・本村凌二 - MSN産経ニュース

数年前、ある医者から「現代医学は検査の仕方こそ進歩し正確になったものの、治療の要は古代のヒポクラテスやガレノスの時代からそれほど変わっていません」と聞いたことがある。

 故郷で4年間の務めをはたし、31歳のとき帝国の都ローマの土をふむ。ハドリアヌス帝の後継者であった誠実なる賢帝アントニヌスが没し、ストア派の哲人マルクス・アウレリウスが即位したところだった。


 医学の諸派がひしめく首都ローマで、ガレノスは解剖の技量を示し、名医としての評判を高める。患者の容体や予後について際だって的確な判断をくだすのだから、都の人々は驚いた。評判は評判を呼び、ついには皇帝の目にとまる。マルクス帝の診察にあたることになり、皇帝の信頼を勝ち取るのだった。

 ところで、現代医学の最大の進歩は、患部の所在を正確につきとめられるようになった点だという。古代人ガレノスの手腕が輝いたのは当時の誰よりも病根を正確につかんでいたからだとすれば、国の病をみる現代の政権担当者にも、ガレノスの教訓は生きていてほしいものだ。

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