ロシアが先週、ウクライナ南部のクリミアを編入する手続きを終えたことを受けて２７日、国連総会の特別会合が開かれ、ウクライナなどが提出した国際社会にクリミアの地位の変更を認めないよう求める決議案の採決が行われました。その結果、賛成が欧米や日本など合わせて１００か国、反対がロシアやシリアなど合わせて１１か国の賛成多数で可決され、中国など合わせて５８か国は棄権しました。決議では、ロシアを名指ししなかったものの、脅しや武力によってウクライナの国土の一体性を壊す行為をやめるよう求め、こうした行為は国連憲章に相いれないと非難しています。
これについてウクライナ暫定政権のデシツァ外相は、「多くの国が賛成し、満足している。ロシアの侵略に対する、より強固な国際社会の支援を期待している」と述べました。
一方、ロシアのチュルキン国連大使は「クリミアの住民がロシアに編入することを望んだだけのことだ」と述べ、正当性を強調しました。
国連では同様の決議案が今月中旬、安保理に提出されましたが、ロシアが拒否権を行使し、否決されています。
このため、今回は全加盟国が参加する総会で採決されたもので、決議に拘束力はないものの、欧米側とロシア側との対立が一層際立つ結果となりました。
国連総会:クリミア決議 予想上回る１００カ国が賛成 - 毎日新聞
ロシアと周辺国を巡っては２００８年のグルジア紛争後、ロシアは当時のグルジア南オセチア自治州とアブハジア自治共和国の独立を承認。国連総会は０９年９月、独立を事実上認めない内容の決議案を採択した。しかし、この時は、賛成は４８にとどまり、反対１９、棄権は７８に上った。
UN Gen Assembly adopts resolution backing Ukraine's territorial integrity ― RT News
UN vote shows Russia far from isolated – Churkin ― RT News
Despite strong pressure by the US and other countries to support a resolution declaring Crimea's referendum invalid, the results of the UN General Assembly vote show Russia is not isolated in its stance on the Ukraine crisis, envoy Vitaly Churkin said.
“Very many countries complained that they were undergoing colossal pressure on the part of Western powers to vote in support of that resolution,” Churkin told journalists after the vote, adding that he believes the pressure “produced a certain effect.”
“Some countries voted grudgingly, shall I say, and complained to us about the strong pressure they had experienced,” Churkin told ITAR-TASS.
