中東和平交渉は去年７月に再開したものの難航しており、先週には交渉再開の条件としてイスラエルが行うとされていた、国内の刑務所に収監されているパレスチナ人の釈放が見送られました。
これに強く反発したパレスチナ暫定自治政府のアッバス議長は１日、交渉再開の条件が守られなかったとして「ほかに解決策がない」と述べ、国際機関などへの加盟申請の手続きを始めたことを明らかにしました。
パレスチナによる国際機関への加盟は、イスラエルやアメリカが、交渉をないがしろにして一方的に国際社会に訴える行為だとしてかねてから強く反対しており、加盟に踏み切らないことが交渉再開の条件にもなっていました。
仲介役を務めるアメリカのケリー国務長官は２日、パレスチナを訪れてアッバス議長と会談し、今月末に迫った交渉期限の延長を求める予定でしたが、パレスチナ側の対応を受けて急きょ、訪問の中止を発表しました。
パレスチナ側としては、国際機関への加盟に踏み切ることでイスラエルから譲歩を引き出したいねらいがあるとみられますが、イスラエル側からの強い抗議は避けらない見通しで、和平交渉の継続は危機を迎えています。
