https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

【佐藤優の地球を斬る】カトリックと英国国教会、ウクライナ支持のシグナル 女王のバチカン訪問 - MSN産経ニュース

 日本ではほとんど報道されていないが、ウクライナの政変には、カトリック教会が無視できない役割を果たした。ウクライナ西部ガリツィア地方のウクライナ民族至上主義者の思想的母体は、この地域を拠点とするユニエイト教会(東方典礼カトリック教会、東方帰一教会)である。16世紀末に成立したユニエイト教会は、イコン(聖画像)を崇敬し、下級聖職者の妻帯が認められるなど、外見上は正教会とよく似ている。しかし、ローマ教皇(法王)の首位権と聖霊は父と子(キリスト)から発出するという教義(専門用語では「フィリオクエ」、ラテン語で「子からも」という意味)を認めるカトリック教会だ。ユニエイト教会は、ウクライナ民族独立運動の中核になった。


 ガリツィア地方は、1945年にソ連軍によって占領されるまで、ロシア帝国ソ連の領土ではなかった。歴史的にハプスブルグ帝国に属し、18年に帝国が崩壊した後はポーランドの版図に属した。ソ連は46年3月、ソ連共産党の圧力の下で、ユニエイト教会はロシア正教会に吸収された。その後、ユニエイト教会の活動は厳禁された。しかし、ユニエイト教会は地下で活動を続けた。90年2月、ソ連ゴルバチョフ大統領がバチカンを訪問した後、ユニエイト教会の活動再開が認められた。ユニエイト教会はウクライナ民族主義と結びつき、ウクライナソ連からの分離独立を求める中心になった。

 宗教的観点から今回のウクライナの政変を見ると、カトリック教会の東方への影響力拡大という面がある。英国国教会の長であるエリザベス女王が、フランシスコ教皇と会見したという事実自体が、キリスト教の世界では、英国国教会ウクライナの新政権を支持しているという意味を持つ。


 この訪問に対して、ロシアは、カトリック教会と英国が連携を強化してウクライナ新政権を支援するというシグナルと見なすであろう。ウクライナ正教会には、独立系とロシア系がある。ロシアのプーチン政権は、ロシア正教会が自らの管轄下にあるウクライナ正教会の活動を強化し、カトリック教会に付け入る隙を与えないように腐心するであろう。ウクライナ危機は深刻になるとともに宗教対立が顕在化している。ユニエイト教会の信者と正教会の信者が衝突する可能性も出てきた。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20140404#1396607759
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20140324#1395657702
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20140324#1395657713


ステパーン・バンデーラ - Wikipedia

アンドリーイ・バンデーラ神父の息子。

アンドリーイ・バンデーラ - Wikipedia

ウクライナカトリック教会の司祭

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20140331#1396274060


竹内宏の経済情報 | 欧米の経済 | ロシアとロシア正教の底力

エリツィンは91年に政権を奪取すると、直ぐに、ロシアを社会主義経済から市場経済に転換させた。巨大な共産主義体制は、小さな内乱が発生しただけで、静かに崩れ落ちた。しかし、ロシア人にインテリさえ、市場経済とは何かを知らず、売り惜しみし、高値の吹っかけ、騙し合いによって、自由に儲けるのが、市場経済だと錯覚し、農奴時代の社会感覚から脱却できなかった。 経済が混乱し、一時期には対外債務を返済できなくなり、国家破産に落ち込み、国全体が貧しくなり、犯罪が激増した。ロシアの物盗りは、まず人を殺し、それからゆっくり盗むと怖がられた。
官僚や党幹部の一部は国有企業が民営化される時、特権、コネ、情報を利用して、大量な株式を安い価格で手に入れた。彼等は、石油、天然ガス非鉄金属、テレビ放送等の分野で、独占企業の経営者になって、莫大な利益をあげ、献金によってエリツィン政権の政策を動かすまでになった。これらの新財閥はオリガルヒと呼ばれ、大部分がユダヤ人だった。彼等は、金の力でロシアを乗っ取る勢いだった。

そうした時、突然、プーチンが登場して、経済の実権をオリガルヒから奪還し、国営企業を復活させ、言論を統制し、警察力を強化して、伝統的な独裁国家体制を取り戻した。強いロシアが戻ったのだ。プーチンは、プーチン批判を繰り返す反抗的なオリガルヒには脱税や国有資産の横領という罪を着せ、牢に繋いだり、国外に追放したりした。
プーチン政権は、反抗的オリガルヒの1人が経営していた石油・天然ガスの大会社・ユーコスを脱税容疑によって破産に追い込み、国営企業ガスプロムに吸収させた。イラク戦争の勃発とともに、原油価格が上昇を続け、国営巨大企業のガスプロムは収益が膨張し、その高配当がロシアの膨張する財政を支え、経済の高成長を実現した。 プーチン政権が発足した2000年以後、10年間で、ロシアのGDP(ドル換算)は、5倍以上になった。500メートル四方という巨大なスーパーが各地に現れ、そこには品物が溢れていた。夢に見た豊かな国になった。

ロシアの不安は製造業に広い裾野がないので、中産階級が育たず、貧富の差が大きいことだ。

多くの知識層は、ロシア的な一神教を信じて共同体的な生活をしている農民こそ、真のロシア人であると敬愛した。

ロシアはソ連時代に74年間も宗教を厳しく弾圧したが、その間も、農民は立体感のないイコンを信じて、餓死・凍死すれすれの生活を生き延びた。各地に釘を使わない木造と石造を組み合わせ、ネギ坊主型をしたロシア正教の教会があり、農民はそこへ黙々と通い、神を頼りに生きた。
プーチンは、ロシア正教が行き渡れば、汚職、犯罪、自殺が減り、国家資本主義が成功すると思っている。ロシア正教は1000年も前から、極貧の時にはロシア人の心の救世主になり、スターリン時代でも生き抜き、現在、ロシアを大国に押し上げる力になっている。
彼等は、ごく近い将来外資と組み、底辺の広い自動車産業等をヨーロッパ・ロシアにも、シベリアにも育成して、幅広い中産階級を創造する計画だ。ロシア人の才能とロシア正教には、それだけの力がある。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20140405#1396694441
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20140405#1396694442
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20140403#1396521985
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20140402#1396435468