ルー米財務長官は１０日、主要２０カ国・地域（Ｇ２０）財務相・中央銀行総裁会議を前にロシアのシルアノフ財務相と会談し、ウクライナ情勢の悪化が続けば、「更に強力な制裁をロシアに科す用意がある」と警告した。米財務省が明らかにした。
ルー財務長官は、ウクライナ南部クリミア半島のロシア編入は不法だと非難。制裁強化を警告する一方、ウクライナ情勢安定が「米露双方の共通の利益になる」として、外交を通じた情勢沈静化が可能との見方を示した。
また、ウクライナに対する国際通貨基金（ＩＭＦ）の支援の必要性を強調。ロシアに対し「ウクライナ経済の健全性を回復するための国際社会の広範な努力」に加わるよう求めた。
ロシア、ウクライナ支援に向けＩＭＦ・ＥＵと協力する用意ある＝財務相 | Reuters
財務相は会談後に記者団に対し、「ウクライナによるロシア産ガス代金の未払い分が増加していることに関して、特に２０１４─１５年冬季に向けた準備を念頭に、懸念を表明した」と明らかにした。
そのうえで、「ロシアは、国際通貨基金（ＩＭＦ）と欧州連合（ＥＵ）とともにウクライナを支援する用意がある」と述べた。
同相はまた、ルー長官に対して、クリミアの編入は合法的だと伝えたと明らかにした。
