中国・山東省の青島で22日から太平洋地域をはじめ20か国以上の海軍のトップらが集まり、信頼の醸成に向けて意見を交わす「西太平洋海軍シンポジウム」が始まりました。
この中で、中国海軍のトップ、呉勝利司令官は、周辺国との領有権などを巡る対立を念頭に「海を巡る争いは平和的な話し合いを通じて解決し、地域の安全と安定を脅かすような極端な行動は避けなければならない」と述べました。
そのうえで、「中国は平和発展の理念を揺るぎなく実践し、各国と手を携えて地域の平和と安定を守る」と強調し、国際社会との協調姿勢をアピールしました。
一方で、呉司令官は国家の主権や領土などを巡り、中国が頻繁に主張してきた「核心的利益」という表現は使わず、活発な海洋進出や急速な軍備増強に伴い広がる中国脅威論を打ち消したいねらいがあるとみられます。
会議には、日本から海上自衛隊のトップ、河野克俊海上幕僚長が出席していて、滞在中、呉司令官との2国間での会談を模索していますが、沖縄県の尖閣諸島の国有化や安倍総理大臣の歴史認識などを巡って中国側は反発していて、会談に応じる姿勢を示していません。