ウクライナ東部では、住民投票の結果を受けて、親ロシア派が独自の軍隊を創設するなど独立の動きを加速させているのに対し、暫定政権は親ロシア派の武装集団を強制排除する軍事作戦を続け、ウクライナの大統領選挙を前に双方の対立が深まっています。
東部の中心都市ドネツクでは15日、武装集団が自動小銃などを携えて地区の選挙管理委員会の事務所に押し入り、選挙で使用するパソコンを奪っていったということです。
選挙管理委員会の担当者は、NHKの取材に対して「武装集団は暴力をふるうようなことはしませんでしたが、いい気分ではありません」と話していました。
また、ドネツク州政府によりますと、別の都市クラマトルスクでも14日、武装集団が選挙管理委員会の印鑑を奪ったり、職員に対して大統領選挙の準備作業を続けないよう脅したりしたということです。
ウクライナの大統領選挙は、ことし2月の政変後に高まった緊張の緩和を目指して、暫定政権が主導して準備を進めていますが、親ロシア派は「住民投票の結果を受けて、われわれは独立する。別の国の大統領選挙は実施させない」と反対の姿勢を強めており、大統領選挙が混乱なく実施されるのか懸念されています。