ヨーロッパ委員会の委員長は加盟国の首脳会議で事実上選出されていますが、新たな条約でヨーロッパ議会の意向が考慮されるようになり、ことし１０月末に退任するバローゾ委員長の後任に誰がなるのか、今月２２日から２５日にかけて投票が行われる議会選挙の行方が注目されています。
これを前に１５日、ヨーロッパ議会の主な会派が委員長候補として選出した候補者５人によるテレビ討論が行われ、ＥＵの課題について議論が交わされました。
この中で、信用不安対策としてＥＵの加盟国に課された緊縮策の是非を巡って、ユーロ圏の議長として緊縮策に賛成したユンケル氏と、反対したギリシャの最大野党を率いるツィプラス氏の間で激しいやり取りとなりました。
また、ウクライナ情勢への対応についても、ロシアへの制裁強化か、対話を重視するかを巡って意見が分かれました。
今回のテレビ討論は、来週に投票が迫ったヨーロッパ議会選挙への関心を高めるねらいもありますが、ヨーロッパ各国でＥＵの統合に反対する右翼勢力が支持を伸ばしているほか、選挙の投票率も毎回減少して４０％前半にとどまっていて、有権者の関心をいかに上げるかが最大の課題となっています。
