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焦点:バーナンキ氏、富裕投資家に鮮明な低金利長期化見通し示す | Reuters

バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)前議長は3月以来、ヘッジファンドなど富裕な民間投資家との夕食会に何度か出席している。一部の出席者によると、前議長は金融緩和と、金利が過去の平均的水準を下回る状態が今後も長く続くとの見通しを在任中よりも明確に語っているという。

ニューヨークのレストランで開かれた夕食会への出席者1人が受けた印象では、前議長は少なくとも自らの存命中はフェデラルファンド(FF)金利が長期平均の4%前後に戻らないと予想しているようだ。この出席者から話を聞いた関係筋が明らかにした。


別の出席者によると、前議長はFRBが常に2%のインフレ目標達成を狙っているとし、2%は必ずしも上限ではないと述べた。この出席者はノートに「彼がそう語った時には驚愕した」と書きつけた。ロイターはこのノートの記述を確認した。

夕食会に出席しているヘッジファンドはチューダー・インベストメントのポール・チューダー氏、グリーンライト・キャピタルのデービッド・アインホーン氏、フォートレス・インベストメント・グループのマイケル・ノボグラーツ氏など。

FRBが昨年12月に資産購入の縮小(テーパリング)を発表したのと受け、米10年国債利回りは一時跳ね上がったが、今年に入って大方の予想に反して再び低下した。これはバーナンキ氏が夕食会で示していた見解、すなわち米経済には大きなスラック(需給の緩み)が残っているため金利の上昇は維持できないとの見解を、投資家が徐々に受け入れ始める中での出来事だった。

こうした会合で投資家は前議長に対し、4兆3000億ドルに拡大したFRBのバランスシートを縮小させる方法から、テーパリング開始が予想されていた昨年9月にこれを見送った理由に至るまで、ありとあらゆる質問をぶつける。


議長の返答は概ね率直で、時には決然とした調子で、米経済を深刻な景気後退から回復へと導いた自らの実績を擁護する。FRBの話になると「われわれは」という代名詞を多用し、イエレン現議長の公式発言と矛盾しないよう慎重を期す。


ある夕食会での投資家との対話で議長は、財政引き締め、手足を縛られた金融市場、米生産性の低下といったあらゆる要因を踏まえれば、金利は正常とされる水準を下回った状態が長期間続くことになるとの見通しを示した。


バーナンキ氏はまた、厳しくなった金融環境によって景気が損なわれる恐れがあれば、FRBは利上げ先送りを望むだろうとも述べた。複数の関係筋によると前議長は、金融政策決定において今後は金融安定上の懸念が政策決定過程においてもっと正式に考慮されることになるとの見通しも強調した。