南シナ海の西沙諸島、英語名パラセル諸島近くで中国による石油の掘削作業をきっかけに、中国とベトナムの船が今月初めから衝突を繰り返している問題で、中国国有の石油会社は27日「掘削機を移動させて第2段階の作業を始めた」と発表しました。
これについてベトナム外務省は声明を発表し、掘削機はこれまでの地点から40キロメートル余り東北東のより西沙諸島に近い海域に移動したとしていて、「新しい地点もベトナムの大陸棚にあり、主権を侵害している」と強く反発しています。
また声明ではベトナムの漁船が中国の漁船に衝突されて転覆したことをはじめ、中国の船による危険な行為が相次いでいるとして、「漁業者の生命や財産を危険にさらす非人道的行為の即時中止を求める」として、中国側に自制を求めました。
一方、中国外務省の報道官は27日の会見で「掘削活動はすべて争いのない中国近海で行われており、合法で正常なものだ」と述べるとともに、ベトナム側が作業を妨害していると改めて主張しました。中国側は掘削作業を当初の計画どおり8月中旬まで続ける方針を明らかにしていて、両国の対立が一層深まっています。