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分裂のパレスチナ 統一政府が発足 NHKニュース

パレスチナでは2007年の武力衝突のあと、ヨルダン川西岸を統治するパレスチナ暫定自治政府アッバス議長の勢力と、ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとの間で分裂状態が続いてきました。
双方はことし4月、対立を解消させることで合意し、それに基づいて2日、実務経験者を中心とした暫定の統一政府を発足させました。
ヨルダン川西岸の都市、ラマラの議長府では、閣僚らによる宣誓式典が行われたあと、アッバス議長が「パレスチナ人の大義の実現を妨げてきた内部対立はもう終わりだ」と述べ、統一した政府の下、パレスチナの独立を目指す考えを強調しました。
ただ双方の対立は残っており、早ければ6か月後にも行われる自治政府の議長や議員の選挙に向けては、う余曲折が予想されます。
さらにハマスを「テロ組織」とみなすイスラエル政府は、今回の統一政府に強く反発しており、決裂している中東和平交渉の再開がさらに遠のくことが懸念されています。

パレスチナでは、2006年に行われた選挙でイスラム原理主義組織ハマスが勝利したことを受けて、それまで権力の座にあったアッバス議長率いる勢力「ファタハ」と「ハマス」の権力闘争が激化します。
そして2007年、ハマスガザ地区アッバス議長率いる勢力を武力で制圧し、実効支配に踏み切りました。
これによって、パレスチナは、ヨルダン川西岸を統治するアッバス議長の勢力と、ガザ地区を実効支配するハマスとの間で分裂状態に陥ります。
ハマスを「テロ組織」とみなすイスラエルは、ガザ地区に対する経済封鎖を強化し、ガザ地区の市民の生活は困窮していきます。
イスラエルの占領下にあるパレスチナが独立することは、内部分裂により一層、困難になり、アラブ諸国が数度にわたり仲介に乗り出したものの、和解には至りませんでした。
転機となったのは、「アラブの春」と呼ばれる民主化運動を受けて隣国エジプトで誕生したイスラム組織「ムスリム同胞団」主導の政府が、去年、事実上のクーデターによって崩壊したことでした。
ハマスは「ムスリム同胞団」を後ろ盾としており、その政権崩壊に伴って、エジプトからの地下トンネルを使った物資の密輸が絶たれ、孤立を深めていきます。
窮地に立たされたハマスはことし4月、アッバス議長の勢力と歩み寄りを見せ、対立を解消し和解を実現することで合意していました。
統一政府の発足を受けて、パレスチナでは早ければ6か月後にトップである議長と議会に当たる評議会の議員を選ぶ選挙を行うことになっていますが、双方の間にはいまだに対立が残っており、選挙などの和解プロセスが順調に進むかは不透明な状況です。

パレスチナ暫定自治政府アッバス議長の勢力とイスラム原理主義組織ハマスが発足させた暫定の統一政府について、アメリ国務省のサキ報道官は2日の記者会見で、「ハマスと関わりのある閣僚が入っていない」としたうえで、「今のところ、この政府と仕事をしていくつもりだ」と述べ、今回発足した統一政府を認める考えを示しました。
一方、ハマスをテロ組織とみなすイスラエルは、今回発足した統一政府に強く反発しており、アメリカと同盟国のイスラエルとの間で、評価が分かれる形となりました。