エジプトの選挙管理委員会は３日、先月２６日から３日間にわたって行われた大統領選挙の開票結果について、シシ前国防相が有効投票のおよそ９７％を獲得して当選したと発表しました。
このあとシシ前国防相は、選挙後初めて国民向けにテレビ演説を行い、「治安の回復と明るい未来の実現に向け、今は国民が一丸となって働くときだ」と訴えました。
エジプトでは去年の事実上のクーデターのあと、軍主導の暫定政府が前のモルシ政権の支持母体であるイスラム組織「ムスリム同胞団」の弾圧に乗り出し、各地で衝突が相次ぎました。
この間、地元のメディアで「シシ氏以外にこの混乱を収束できる指導者はいない」と礼賛する報道が続けられ、国民の間に強い指導者の下での安定を求める声が広がったことが、シシ前国防相の圧倒的な得票につながったものとみられています。
一方で、民主化を求めてきた若者グループなどからは、反対意見を徹底的に取り締まる強権的な体制が復活するなどと懸念の声が出ていて、大統領に就任するシシ氏が今後どのような政権運営を行っていくかが注目されます。
