ECB、必要に応じ追加行動とる=ドラギ総裁 | Reuters
理事会後に行った記者会見で、ドラギ総裁は「必要に応じ、ECBは迅速に追加的な金融緩和措置を講じていく。ECB理事会はまた、低インフレが過度に長期化するリスクへの一段の対処で必要となれば、責務の範囲内で非標準的な手段を講じていくとのコミットメントで全会一致している」と語った。
ECBは同日開いた理事会で、主要政策金利のリファイナンス金利を過去最低となる0.15%に引き下げた。さらに、中銀預金金利もマイナス0.10%に引き下げた。マイナス金利の導入は初めて。
ドラギ総裁は、最新のECBスタッフ予測に基づき今回の決定に至ったとし、金利は事実上、底を打ったと述べた。
ECB総裁、量的緩和実施の可能性排除せず「今回で全てでない」 | Reuters
理事会後に行った記者会見で、一段と広範な資産買い入れプログラムの実施に踏み切らなかった理由について質問されたドラギ総裁は、今回発表した一連の措置について「大規模な措置と考えているが、これで終わりかといえばそうではない」と強調。必要が生じれば、責務の範囲内で一段の措置を講じていく可能性があることを明確にした。
ドラギ総裁は会見の冒頭でも、ECBが必要に応じ追加行動をとる用意があると言明した。
<ABSに対する海外の需要がユーロ高招く可能性>
資産担保証券(ABS)に関して検討しているが、取り組むべき別の要素もある。シンプルかつ透明性が高いABSに対する過度な差別を排除するため、規制の見直しが必要だ。
こうした努力が実り、国際的に魅力の高いABSが生まれれば、著しい規模の資金が中小企業へと流入する。これは大きな成功で、欧州にとってはひとつの資本市場の回復を支援するとともに、危機を招いた重大な要因の1つである分断の解消を促すことになる。
私はこうした恩恵を為替レートより重視する。
<ユーロ>
ユーロ圏経済に関心を持つ投資家からの資金流入がユーロ上昇の一因となっていたが、前四半期に和らいだ。
<今回発表した措置の効果が表れる時期>
金利は長期間、おそらくこれまでに想定されていたよりも長期間低水準にとどまる。これが金融市場の状況に波及することになる。
いつ効果が表れるか:
金融市場では即時の効果を確認できる公算が大きい。一連の措置による実体経済への効果は遅れて表れることになる。恐らく3、4四半期程度の時間がかかる見通しだ。
<決定は全会一致>
今回の政策決定は全会一致だった。
<まだ終わっていない>
今回決めた措置は大掛かりであると考えるが、これで終わりかと問われれば、その答えはノーだ。われわれはまだ終わっていない。必要であれば責務の範囲内で(行動する)。
<金利は下限に到達>
(金利は)事実上、下限に到達したと考えている。
<ABS・MRO>
ABSに関する準備作業については、ユーロ圏の非金融民間部門の資産を裏付けとした、シンプルかつ透明性の高いものをユーロシステムが買い入れることを検討する。
主要リファイナンシング・オペ(MRO)については、固定金利でのオペ全額供給を必要な限り実施するとともに、少なくとも2016年12月の積み期間終了まで継続することを決定した。
<的を絞った長期リファイナンスオペ>
すべての的を絞った長期リファイナンスオペ(TLTRO)資金は2018年9月に期限を迎える。オペでは当初、対象金融機関によるユーロ圏の民間非金融部門への総貸し出しから家計の住宅購入向けローンを除いた額の7%に相当する借り入れが可能になる。
当初予定総額は4000億ユーロ。TLTROは2014年9月と12月に実施する。
これに加え、2015年3月から2016年6月までは、オペ対象機関はすべて、ユーロ圏民間非金融部門への純貸出から家計の住宅購入向けローンを除いた額の最大で3倍の資金を四半期ごとに借り入れることが可能になる。
<SMP不胎化の停止>
主要政策金利引き下げ、より期間の長い的を絞ったリファイナンスオペ、ABS買い切りオペに向けた準備、固定金利でのオペ全額供給継続に加え、証券市場プログラム(SMP)の下で供給される流動性の週間不胎化オペ停止も一連の措置に含まれる。
<緩やかな回復継続>
(第1・四半期の域内総生産(GDP)が前四半期比0.2%増加したことについて)緩やかな景気回復が継続していることを裏付けた。最近の調査では、第2・四半期も緩やかな伸びとなる可能性を示唆している。
成長見通しを取り巻くリスクは依然下向きだ。
<必要なら迅速な行動>
必要であれば、ECBとして追加金融緩和を伴い迅速に行動する。また低インフレ期間が過度に長引くリスクに対し、さらなる対応が必要な場合、ECB理事会は責務の範囲内において非標準的措置を用いる方針で一致している。
<一連の措置>
実体経済への融資促進に向けた一連の措置について決定した。主要政策金利引き下げやより期間の長い的を絞ったリファイナンスオペ、ABS買い切りオペに向けた準備、固定金利でのオペ全額供給の継続が含まれる。
現在のインフレ見通しに基づき、ECBの主要政策金利は長期間、現行水準にとどまる見込みだ。
16年12月までの金融政策運営に関するECB声明全文 | Reuters
ECB理事会はきょう、固定金利で全額供給する主要リファイナンシング・オペ(MRO)を必要な期間継続し、少なくとも2016年12月の積み期間終了まで実施することを決定した。
2016年12月の積み期間終了までに、期間3カ月の長期リファイナンスオペ(TLTRO)を固定金利・全額供給方式で複数回行うことも決めた。3カ月物LTROの金利は期間中のMROの平均を用いる。
理事会はまた特別リファイナンスオペについて、6月10日に行われるオペ後の積み期間終了をもって打ち切ることを決定した。
さらに証券市場プログラム(SMP)で供給した流動性を吸収する毎週の不胎化オペも10日で停止する。
流動性供給策とABS買い入れに関するECB声明全文 | Reuters
物価安定という責務を全うするため、ECB理事会はきょう、実体経済への融資を支援することにより金融政策の波及メカニズムの機能を高めるための措置を発表した。具体的には、以下のことを決定した。
1)ユーロ圏の非金融・民間セクターに対する銀行融資を拡大することを目的とし、一連の目標を絞った長期流動性供給オペ(TLTRO)を実施する。家計への住宅ローンは除外する。期間は2年間から。
2)ABSの買い切りオペに向けた準備作業を加速させる。
ユーロ圏の非金融・民間セクターとは、域内の家計および金融機関以外の企業と定義する。
純貸し出しとはBSI統計に用いる定義に基づく。つまり新規融資から返済分を引き、ローンの売却や証券化の影響を調整した額とする。
ヨーロッパ中央銀行は5日、単一通貨ユーロの金融政策を決める定例の理事会をドイツのフランクフルトの本部で開きました。
その結果、主要な政策金利を過去最低の水準になっている今の年0.25%から、0.1%引き下げて0.15%とすることを決めました。
ヨーロッパ中央銀行が金利を引き下げるのは、去年11月以来、7か月ぶりです。
さらに主要な中央銀行として初めて、金融機関から資金を預かる際の金利を0.1%のマイナスにする一段の金融緩和に踏み切ることを決めました。
この「マイナス金利」と呼ばれる政策は、金融機関が中央銀行に資金を預けると実質的に手数料を取られるもので企業への貸し出しを促すねらいがあります。
ユーロ圏では、景気の低迷が続き、▽先月の消費者物価指数が0.5%の上昇と、前の月から上昇率が大きく縮小し、デフレへの懸念が一段と強まっているほか、▽ウクライナ情勢を巡る欧米とロシアの対立が金融市場の波乱要因になっています。
ヨーロッパ中央銀行としては、一段の金融緩和に踏み切ることでユーロ圏がデフレに陥るのを未然に防ぐとともに金融市場の安定を図るねらいがあります。
この「マイナス金利」と呼ばれる政策は金融機関の収益を圧迫し、逆に貸し出しが減るおそれが指摘されるなど、効果を疑問視する声も出ています。
ユーロ圏では長引く景気の低迷でデフレに陥るのではないかという懸念が続いていて、ヨーロッパ中央銀行のドラギ総裁は、理事会のあとの記者会見で、「物価の低迷が長期化するリスクに対応するため、あらゆる政策をとる」と述べ、今後、量的緩和など一段の金融緩和に踏み切る可能性を示唆しました。
ただ、今回の利下げで政策金利は限りなくゼロに近づき利下げの余地が狭まることに加え、金融機関に負担を強いる「マイナス金利」の幅を拡大することには反対も予想され、政策手段が限られるなかで、景気を下支えしユーロ圏がデフレに陥るのを防ぐことができるかが注目されます。
【Q&A】ECBマイナス金利 銀行からの預金に手数料 ユーロ安誘導も - MSN産経ニュース
Q 金利がマイナスとは
A 中央銀行は「銀行の銀行」として、普通の銀行から預金を受け入れたり、融資したりする。今回マイナスにしたのは銀行が余っている資金を預ける口座の金利だ。普通ならわずかでも利子が付くところを、逆に銀行から手数料を徴収する。
Q 導入の目的は
A 手数料を払うのを避けようとする銀行が、中銀に預けていた資金を企業への貸し出しに回すことなどで景気刺激が期待されるというのが表向きの理由。ECBにとって現在、最大の問題は物価上昇率だ。極端に低い物価上昇はディスインフレと呼ばれ、幅広い物価が継続的に下がるデフレと同様、経済に悪影響を与えるとされる。ECBは預金金利を含めた政策金利の引き下げで対応してきたが、預金金利はすでにゼロで、マイナスにするしかなかった。
Q 効果は
A これまでマイナス金利を導入したデンマークなどでは、融資拡大について目立った効果は確認されていない。ただ、外国為替相場で自分たちの通貨を安くするというもう一つの効果がある。国境をまたいでビジネスをする銀行が、手数料を取られるぐらいならほかの通貨で運用しようとすることで起きる。これは一定の効果があるとされ、実際は通貨安が主目的だとの見方もある。
Q なぜユーロを安くしたいのか
A ユーロ高は輸出産業の競争力を低下させ、景気回復を妨げかねない。輸入品の価格が下がることで物価が下落する圧力となる。
Q 副作用は
A 経済規模が大きい主要国でマイナス金利が導入されたことはなく、実際に何が起きるのかは予測困難だ。例えば、銀行が中銀に支払う手数料を融資金利に上乗せする動きが広がれば、逆に景気を冷え込ませかねない。体力が弱っている銀行の経営不安を加速する恐れもある。ECBのドラギ総裁は過去に「技術的には準備ができているが、予期せぬ結果を招く恐れがある」と繰り返してきた
Twitter / wonkmonk_: Europe's banks don't add to
Europe's banks don't add to economic growth, academics say http://reut.rs/1gYiVXH Is Europe Overbanked? http://bit.ly/1gYj11q (pdf)
Twitter / wonkmonk_: "EU banking system has reached
"EU banking system has reached a size where its marginal contribution to rGDP growth is likely to be 0 or negative." http://bit.ly/1gYj11q